3秒でイライラ・不安・落ち込みを解消! 3秒ルールを身につけよう

人間関係

2015/12/15


『イヤな気持ちは3秒で消せる!』(西田一見:著、「元気が出る本」出版部 :編、 サノマリナ:イラスト/現代書林)

 満員電車で降りる乗客が多いのになぜかドア付近でかたくなに粘る人にイライラする。その日の気分で理不尽に怒る上司にいつも緊張する。模試の成績がパッとせずに落ち込む…。このようなイヤな気持ちで一日を棒に振るのは、誰だって望まない。『イヤな気持ちは3秒で消せる!』(西田一見:著、「元気が出る本」出版部:編/現代書林)は、「イライラ、怒り、妬み」「緊張、不安、心配」「落ち込み、傷つき、ヘコみ」の3大“イヤな気持ち”をわずか3秒で消し去る「3秒ルール」を紹介している。

 自己啓発本などで見られるようなこの手のメソッドは、がむしゃらにオーバーポジティブともいえる思考を持つことに終始するケースがしばしばある。しかし、本書は脳科学が根拠になっているところが興味深い。著者はメンタルトレーナー、目標達成ナビゲーターという肩書を持つ。プロ野球選手やJリーガー、オリンピック出場選手などのトップアスリート、一部上場企業の経営者などを指導してきた経歴があり、小中学生の受験指導でも高い評価を受けているという。一見の価値がありそうだ。

 超一流を超一流たらしめてきた「3秒ルール」を知る前に、本書はまず、脳について学ぶ必要があるという。大人になればなるほどイヤな気持ちを抱きやすい。これは、脳が危険回避のためにマイナスの記憶データを強くインプットするようになるため。イヤな気持ちになりやすい人の脳は、つまり心配性なのだ。

 生存に欠かせない素晴らしい機能を備えている脳だが、反面、驚くほど単純で、バカで、愛らしいクセが3つあるという。

(1)脳は「イメージ・言葉・動作」をそのとおり受け取り、実現しようとする

 思い浮かべた「イメージ」、言ったり書いたりした「言葉」、取ったポーズや表情などの「動作」を“そのとおり受け取り”実行しようとする。「今日もツラい一日になりそうだなあ」とイメージしたり、本心ではないにしろ相手に合わせて「たしかに、つまらない仕事だよね」と口にしてしまったり、「疲れたなあ」と表情や態度に出したりしてしまえば、脳は「そうなんですね」と額面どおりに受け取り、精いっぱいネガティブを実現しようとするという。

(2)脳は「現実」と「想像」の区別ができない

 食べてもいない、ただ想像しただけのレモンで口の中が酸っぱくなる…。これが脳は「現実」と「想像」の区別ができないことの一例。逆にいえば、「本当には起きていないこと」でも、「起きたこと」として想像すれば、脳は「本当に起きたこと」と見なしてくれるという。

(3)脳は記憶を上書きする

 脳は記憶のデータベースとして、常に上書きを繰り返している。強力なマイナスの記憶が入力されても、次に強力なプラスの記憶を上書きすればポジティブになれる。上書きが速ければ速いほど、直前の記憶は定着しにくいという。

 勘の良い人はもう察しているかもしれないが、「3秒ルール」はこういった脳のクセを逆手に取っている。つまり、一瞬イヤな気持ちになっても、瞬時にプラスのイメージ・言葉・動作を発し、脳に「そうなんですね」と信じこませ、プラスの記憶を上書きする、というわけである。方法は簡単。カウント1で「プラスイメージ」をし、カウント2で「プラス言葉」を発し、カウント3で「プラス動作」をする。1つのカウントにつき1秒で処理。この3カウントでイヤな気持ちを瞬時に消し去る。

 とはいえ、いきなり「プラスイメージ」「プラス言葉」「プラス動作」を…といわれても、とまどう人がいるかもしれない。本書は、そんな人のために「今すぐできる初心者バージョン」を紹介している。

 イヤな気持ちになった直後に、その場で…

(1)大好物を思い浮かべる
(2)「できる!」とつぶやく
(3)口角を上げて笑顔になる

 本書によると、超一流の人たちも当然、イヤな気持ちになることがある。しかし、脳の使い方が違うという。切り替えが早いのだ。

 師も走るといわれる12月。年末進行で追われる社会人や、受験勉強の追い込みをかける受験生のみなさん、この「3秒ルール」で忙しい時期を乗り越えてみてはいかがだろう。

文=ルートつつみ