「さしすせそ」の基本調味料だけ! “素材の旨み”が際立つレシピ【マリネ、炒め物、シチュー】

食・料理

公開日:2016/1/24


『基本調味料だけで作る毎日の献立とおかず』(角田真秀/マイナビ出版)

 キッチンにどれくらい調味料やスパイスが並んでますか? そのうち、最後まで使い切るものはどれくらいありますか? ご当地ものから海外の調味料まで、1回は使ってみるものの、その後棚の奥で眠ったままということも珍しくないのでは? 一方、日本には昔から「さしすせそ」という調味料の頭文字を取った言葉があり、これさえあればたいていの料理は作れました。

 『基本調味料だけで作る毎日の献立とおかず』(角田真秀/マイナビ出版)では、「少ない調味料でも、おいしくて味わい深いごはんが作れる」というコンセプトのもと、基本調味料だけで作る献立・主菜・副菜・洋食など全104レシピが紹介されています。基本調味料で作ると、余計な調味料を準備する必要がないので経済的! さらに使いこなすことでアレンジも簡単になり料理上手になれる、家族みんなが安心して食べられるというメリットもあるそうです。今回はこの中から、とってもシンプルな材料ながら、味わい深い3品を実際に作ってみました。

1、鮭のマリネ(P.24)

 鍋に酢、砂糖を入れて火にかけ、砂糖が溶けたら火を止めて、鮭を並べます。そこに、ちぎった梅干し、しょうがを加えて再び火にかけ、6分ほど煮れば完成です。

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 マリネと言えば、一般的にはたっぷりの酢を使って、少しすっぱいくらいのものが多いですが、ここでは梅干しを加えて煮ることで、梅干しの旨味が加わり、とってもまろやかな味になりました。これなら、普段すっぱいものが苦手な子どもでも美味しく食べられますよ。

2、トマトと卵の塩炒め(P.66)

 オリーブオイルを熱したフライパンに、くし形切りにしたトマトを入れ、塩をふって表面をさっと焼きつけます。その後、溶き卵を回し入れ、再び塩を加えてざっと炒め合わせれば完成です。

 調味料はなんと塩だけという、超シンプルな味付けの一皿です。でも、下味と仕上げに2回塩を使うことで、トマトの甘みが引き出され、それが卵と絡むことで、とっても奥深い味になりました。

3、ホワイトシチュー(P.82)

 鍋ににんにくとオリーブオイルを入れて火にかけ、香りが立ってきたら玉ねぎを入れて炒めます。さらに、鶏肉を加え、表面の色が変わるまで炒めます。そこに、水を少しずつ加えて混ぜ、にんじん、じゃがいもを加えたら15分ほど煮ます。最後に、味噌を溶き、牛乳を加えて混ぜて温めれば完成です。

 通常ホワイトシチューを作る際には、ルウを使いますが、ここでは使わずに隠し味としてにんにくと味噌を使いました。そうすることで、ルウの時のような脂っぽさがなく、さらっとしているけれどコクのあるシチューになりました。中に入れた食材一つ一つの味もしっかり味わえる一品です。

基本調味料だけを使うことによって、素材本来の味を楽しみたい
自分自身が、あまり使わない調味料をたくさん買って寝かせていたので、このレシピ本のタイトルを見つけた際にハっとしました。そして、実際作ってみたことで、基本調味料だけで料理が作れる驚きとともに、使った食材の味そのものがしっかり楽しめることに感動しました。今までいかに調味料の味だけを楽しんできたことか…。これをきっかけに調味料の断捨離を行い、もっともっとシンプルな美味しさを楽しもうと心に誓ったのでした。

文=JUNKO