誕生から30年を迎える『かいけつゾロリ』の魅力とは!?

文芸・カルチャー

2016/1/26


 Twitter上で現在、「#あなたの大好きな児童文学教えてください」というハッシュタグが賑わっている。それに対し、「やっぱり『かいけつゾロリ』だな」「ゾロリは今読んでも面白い」「夢中になって図書室で読んだ」と、多くの人が挙げている『かいけつゾロリ』。シリーズ1作目刊行からすでに約30年が経ってなお、同シリーズが人気を博す理由は一体どこにあるのだろうか。

 1987年の『かいけつゾロリのドラゴンたいじ』から始まった『かいけつゾロリ』シリーズ。いたずらの王者を目指し、修行の旅を続けるキツネ・かいけつゾロリと、そのゾロリを尊敬し弟子として一緒に旅のお供をするイノシシの双子、イシシとノシシの3人が繰り広げる冒険物語が、毎度展開される。2015年12月には最新刊(58巻)『きえた!? かいけつゾロリ』が発売となったばかり。シリーズ累計発行部数は3,500万部を突破する、日本を代表する児童書となっている。

 書籍のみならず、TVアニメ化、アニメ映画化などもされている『かいけつゾロリ』だが、驚くことに作者・原ゆたかは、子どもの頃読書が嫌いだったという。しかし、そのような時期を経ているため、「子どもにとって、読書は勉強の一環と思ってしまいがち。だから、漫画やゲームと同じ娯楽のひとつになる本を書きたい」と子どもの気持ちを汲み取り、いまも執筆を続けている。子どもたちが飽きないように、事件解決後すぐにまた事件が発生、ゾロリが話しかけるなどの読者を巻き込む、作中に作者の似顔絵を隠す、迷路やクイズといった仕掛けなど、子どもにとって娯楽となる工夫が詰め込まれている。

 株式会社ゲインが現役東大生100人に『かいけつゾロリ』に関する調査を実施したところ、約8割が「読んだことがある」と回答。さらにその中の8割が5冊以上読んだことのある、リピーターであったことが判明した。また、同シリーズについて全員が「ストーリーが面白い」「子どもが読みやすい本」という印象を受けており、「本の内容が楽しい」「本を好きになるから」「ユーモアが養われる」などを理由に、9割強が子どもに「『かいけつゾロリ』を読ませたい」と答えている。

 「#あなたの大好きな児童文学教えてください」というハッシュタグをきっかけに、子どもの頃に夢中で読んだであろう人からは「眠れないから『かいけつゾロリ』読んでる」「ゾロリの特定の回がめっちゃ好きなんだよね」「今でも読みたくなる。ちなみに、ラーメン対決が印象的」「小3の頃に図書室で運命的出会いを果たして以降、小学校時代の愛読書だった。あれがなかったら中高と本を読んでなかったよ」「ゾロリ先生が毒キノコ食べちゃう話はホント泣きそうだった。あと、先生がリスの石像に潰されそうになったときのイシシとノシシの判断がまた泣けた」「ゾロリってイケメン臭しない?」などの声が上がり、いまだ愛され続けていることが窺える。最新刊ほか、2016年3月には長編映画シリーズ最新作「映画 かいけつゾロリ うちゅうの勇者たち」のDVDリリースも決定している。童心に返るべく、書店で探してみるのもいいかもしれない。


■『きえた!? かいけつゾロリ
著:原ゆたか
価格:900円(+税)
発売日:2015年12月
出版社:ポプラ社