渡辺謙・森山未來・松山ケンイチ・綾野剛・広瀬すず・宮崎あおい・妻夫木聡など豪華キャストで映画化決定! 吉田修一『怒り』がはやくも文庫判で登場!

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/16

悪人』や『パレード』などで知られる人気作家、吉田修一のミステリー『怒り』が2016年1月21日(木)に文庫版として出版された。吉田氏の長編15作目となる同作は、「本屋大賞2015」ノミネート、週刊文春が選ぶ「2014ミステリーベスト10」にランクインするなど話題を呼び、単行本発売から2年を経てはやくも文庫化、さらには今年秋には渡辺謙主演で映画化も決定している。

その『怒り』のヒットを祈願して先日、都内某所で“決起大会”が開催された。当日は著者の吉田修一氏も登壇し、「この作品は“怒り”という言葉からできた小説」と語り、映画化のことなど作品の新たな展開に期待を寄せていた。

吉田修一氏

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吉田氏は、千葉の漁港や沖縄の無人島で行われた映画の撮影見学にも訪れたといい、その現場訪問記が2/9発売の『婦人公論』、2/10発売、3/10発売の『中央公論』に掲載されるという。キャストが映画に向かう姿勢、驚きの撮影エピソードなどが綴られているということだ。

物語は東京郊外からはじまる―。惨殺死体となって発見された夫婦。血まみれの廊下には、犯人が書いた「怒」の血文字が残されていた…。そして事件から1年後、舞台は、房総・東京・沖縄の3カ所に。房総半島の港町で暮らす父と娘、東京の大手企業サラリーマン、沖縄に引っ越した女子高生、それぞれの生活をおくる人たちのまえに、3人の前歴不詳の男があらわれる。異なる視点をとおして描かれる人間模様と平行しながら、事件の真相に迫っていく…。

男は何者なのか? いったい犯人はだれなのか? という謎解き要素だけでなく、3組の主人公の感情描写が大きな魅力となっている同作。「自分のこころを見透かされているみたい」「なんの涙かわかんないけど、最後に涙が止まらなかった」などの声が上がるように、読む者の心を大きく震わす。

映画では、主演の渡辺謙をはじめ、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮﨑あおいなど、これでもかというほど豪華な名前がならぶ。また、吉田作品で同じく映画化された『悪人』の主人公を演じた妻夫木聡も出演。さらに『悪人』のメガホンをとった李相日が今回も監督を務める。「そうそうたるというか、凄すぎるメンバーだな」「よく揃ったなこれだけ」など、キャスティングに対しての驚きの声も多い。

期待は膨らむばかりだが、映画は2016年9月公開予定。映画に足を運ぶまえに、『怒り』はもちろん、吉田修一作品をチェックしておきたいところだ。

■『怒り』上・下
著:吉田修一
価格:各600円(+税)
発売日:2016年1月21日(木)
仕様:文庫判/上320ページ/下288ページ
出版:中央公論新社