泣ける本No.1『星守る犬』 続編のテーマは“希望”
公開日:2011/9/5
――廃車の中で男性の遺体発見。足元に犬の遺体も。
作者の村上たかしが電光掲示板で見かけた一行ニュースがきっかけだ。当時は、なんということもない不幸な行き倒れみたいな印象しかなかったのが、東広島に引っ越してふと思い出したという。 「ひょっとしたらこれは不幸なだけではないぞと。そこには純粋な結晶のような時間があったのではないかと思い至って」と村上さん。
「前作が死に重きを置いた作品だったので、続編はもう少し希望がある、生きるという側面に光を当てたかった」 独居老人、ネグレクトされた少年、ペットショップで売れ残った子犬。続編では彼らはまるで孤独な星が引き合うようにめぐり合う。人は自分を必要とする誰かにきっとめぐり合える。そんな作者の思いが詰まった「救い」の一冊だ。
(ダ・ヴィンチ5月号「もっと知りたい売れている理由」より)