松本大洋『鉄コン筋クリート』映画公開10周年記念原画展開催!「すごっ、観に行きたい!」とファン歓喜

マンガ

公開日:2016/2/12


 2016年は松本大洋の同名マンガを原作にした映画「鉄コン筋クリート」公開から10周年を迎える節目の年。それを受け、4月6日(水)より福島県・福島さくら遊学舎にて、「公開10周年記念、映画『鉄コン筋クリート』原画展(仮)」の開催が決定した。原作・映画共に高い人気を誇るだけに、「行きたい!」と開催を喜ぶファンは多い。

 窪塚洋介&井浦新(当時・ARATA)主演で映画化された卓球マンガ『ピンポン』や、松田龍平、新井浩文、高岡奏輔(当時・高岡蒼佑)ら若手俳優の知名度を飛躍的に上げた映画の原作マンガ『青い春』など、どの作品も高い評価を受けるマンガ家・松本大洋。そんな松本の出世作ともいえるのが、『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載していた『鉄コン筋クリート』だ。

 『鉄コン筋クリート』の舞台は、酷薄たる力を信望するクロと、純真たる心を内包するシロという、“ネコ”と呼ばれるふたりの悪童が支配し遊び暮らす町・宝町。ふたりは、学校にも通わず、暴力で金を奪い取る荒んだ生活を繰り返していたため、ほかの町からも恐れられていた。しかし、その宝町に古くから住むヤクザの魔の手が伸びてきて… と物語は展開していく。

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 「松本ワールド溢れる、悪ガキ版ハードボイルドの秀作」「ストーリーのみでなく、擬音の形、動きの描写、演劇の台本のようなセリフなどの表現方法に注目すると、とても参考になる漫画」「リアルであってリアルでない。非現実的はあるが現実的。スピード感が溢れている一方で、時間がゆっくりと流れているようでもある。暴力渦巻く大人のおとぎ話のようだ」など、読者からの評価も極めて高い同作は、2006年、クロ役に嵐・二宮和也、シロ役に蒼井優を起用し劇場アニメ化。STUDIO 4℃制作の映画「鉄コン筋クリート」は、3DCGと手描きの融合による映像で、「第80回 アカデミー賞」アカデミー長編アニメ映画賞にノミネートされたほか、国内外問わず絶賛された。

 映画公開から10周年を迎え、“シロ”にちなんで4月6日より開催される「映画『鉄コン筋クリート』原画展」。会場では、原画はもちろんのこと、イメージボード、キャラクター設定、背景美術などが並べられるという。

 このニュースに「すごっ、観に行きたい!」「これは!(高揚感)」「こんなにオシャレで泥臭い映画、ほかにない」「原画展行きたいな。宝町のゴチャゴチャさと、ノスタルジックさと、非現実さが混ざった世界観の情景が好きで、割と自分が何か作る時もいつも頭の片隅にある」「福島かー! 土湯温泉行って、花見山で花見して、原画展行くとかできちゃったりしないかな、ワクワク」など、喜びの声は多い。

 ただ、開催地が福島ということで、「展覧会の会場福島なの!?」「何故に福島県? でも行きたい」「原画展、絶対行く!と思ってたのに福島」「東京だったら観に行ったかも」といった声も見られる。

 しかし、原画展開催日同日には、『映画「鉄コン筋クリート」ARTBOOK キャラクター編』も刊行されるため、原画展に足を運べないファンはこちらを手に入れたいところ。同書は2006年に発売された、背景美術を中心とした「鉄コン筋クリート」のART BOOK『クロside 基礎工事編』&『シロside 建築現場編』に続く第3弾にあたり、2月6日(土)より「STUDIO4℃FUN&」で事前受付を開始中だ。

 なお10周年企画は、原画展やARTBOOK以外にも、次々と展開するとのこと。続報を楽しみに待とう。


■『鉄コン筋クリート』文庫版1巻
著:松本大洋
価格:648円(+税)
発売日:2013年1月12日
出版社:小学館