「結婚したい」と言いながら今夜も女子会。が増えている! 「本当は結婚したくないのだ症候群」とは?

恋愛・結婚

公開日:2016/2/25


『本当は結婚したくないのだ症候群 「いつかいい人がいれば」の真相』(北条かや/青春出版)

 20代後半、いわゆるアラサーと呼ばれる年齢になると、女性たちが意識せざるを得ない「結婚」。婚活ビジネスが活性化する一方で、進む晩婚化や恋人がいない若者の増加など、もはや世の中全体が結婚をどう扱うべきか迷っているフシがある昨今、1月28日に発売されたのが『本当は結婚したくないのだ症候群 「いつかいい人がいれば」の真相』(北条かや/青春出版)だ。この本のタイトルを見て、ドキッとした女性は意外と多いのではないだろうか?

「そもそも結婚は個人の自由の領域で、他人があれこれ言うものではないにもかかわらず、一定の層を『本当は結婚したくないのだ症候群』と名付けることにも抵抗があった」と語る筆者・北条かや氏は、自身も29歳の独身女性だ。

 同書は、さまざまなデータから「結婚したいかわからない」女性たちの存在を読み解き、その実態に迫っている。たとえば、内閣府が全国の20~39歳の男女を対象におこなった調査「平成26年度 結婚・家族形成に関する意識調査報告書」を例にあげて、

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「20代の独身女性は<結婚したい(すぐにでも+2~3年以内には)>と答える割合が高いが、30代になると<わからない>が急増する。男性では<わからない>が15.3%から21.6%へ、女性では9.1%から、なんと20.6%へと大幅にジャンプアップしている(中略)20代の頃は『何が何でも結婚したい』と思っていても、いざ30代になってみると『私って本当に結婚したいのかな?』と考え始める女性もいるのだ」

 このように、年齢によって回答に差がある事実を紹介。この数字の背景にあるのは、独身女性たちの本音なのかもしれない。そんな彼女たちの本心を探るべく、著者は「当事者の声」として、アラサーの女性たちに直接インタビューを敢行した。かつては結婚願望がゼロだったが、両親を想って結婚を意識しはじめた女性や、「結婚したくないのかも」と気づいた途端、プレッシャーから解放された女性。彼氏がいても「今ではない」と感じている女性、数10万円かけて結婚相談所に登録して婚活に励む女性など、彼女たちの本音はさまざまだった。出産や父親からのプレッシャーなど、周囲の変化とともにアラサー独身女性たちの心が揺れ動いていることが、生の声として伝わってくる。

 そのほか、バブル時期に流行したカッコいい独身女像から“こじらせ女子”や“負け犬”など「独身女の自虐芸」が定着するまでの歴史を紐解き、「幸せ」の定義にも踏み込んで結婚について論じている。

 終盤には、より「自由に生きる」ためのメッセージは“結婚の二文字に囚われている”独身女性の心に響くことだろう。「どうして結婚したかったんだっけ?」と、婚活迷宮に迷い込んだ女性や、つい「いい人いないの?」と独身女性に聞いてしまう年上世代にも手にとってほしい一冊だ。

文=谷口京子(清談社)