『焼肉店センゴク』アニメ化決定!読めば読むほど“ホルモン”のように味わい深い? ほのぼの日常ギャグ漫画

マンガ

更新日:2016/2/29


『焼肉店センゴク』(覆面うさぎ/一迅社)

 みんな大好き“焼肉”。でも、実は意外と、焼肉屋が舞台の漫画ってないんですよね。今回はGANMA!で連載されているWeb漫画『焼肉店センゴク』(覆面うさぎ)をご紹介! 本作は、書籍化され、2月27日に1巻が発売されます。

 『焼肉店センゴク』(一迅社)は、焼肉屋を舞台にそこで働くアルバイトたちのやりとりを描いた日常系4コマ漫画です。ある日、千石エイジが店主をしている「焼肉店センゴク」にひとりのアルバイト応募者がやってきます。その名も大山ソウジ。髪型が“黒ずんだモップ”みたいというかわいそうな理由から、あだ名は“モップ”に決定。

 筋肉隆々で豪傑な店長や、天然ボケ炸裂の佐倉ヤエちゃん、ツンデレで店長が大好きな鯱頭アオイちゃん、「けっさくー」が口癖で意外と策士な金田へちまさん、トラブルメーカーな中国人の劉子玄さん……などなど、かなり個性豊かなキャラクターたちがそろい踏み。

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 アルバイトたちを描いた日常系漫画といったら、やっぱり“あるある”ですよね。掘りごたつの下のゴミを取ろうとしたら頭が大きすぎて抜けなくなったり、急な伝達事項を伝書鳩が家まで届けにきたり、動物園から逃げた猿が新人アルバイトとして働いていたり……って、そんな職場あるか! とついつっこみたくなってしまいます。そう、とにかくストーリー進行がはちゃめちゃ。これぞ王道ギャグ漫画という感じです。

 かなりつっこみどころ満載のストーリーですが、どのキャラクターも魅力的なのでぐんぐん読めてしまうのが面白いところ。奇想天外なストーリー展開でもついていけるのは、キャラクターたちが醸し出す、この漫画全体のゆるーい雰囲気かもしれません。にぎやかだけど、どこか心地いい。こんな職場があったら働きたいな、とつい思ってしまいます。

 また、キャラクターがみんなちょっと常識人で憎めないんですよね。モップくんも気弱な性格ですが、店長やヤエちゃん のボケについていっている姿を見ると、意外と図太いのかもしれません。ボケばかりに見えて、つっこみもきちんと機能しているので、ちゃんとオチまで楽しめます。基本的に毎回1話完結なので、読み切り感覚で気軽に読めるのも嬉しいところ。

 そしてそして、『焼肉店センゴク』、単なるギャグ漫画ではありません。この漫画をさらに面白くさせているのが、ときおり入る“ラブ”要素。ヤエちゃんはモップくんに気があるようなんです。そんな彼女の気持ちに気づいたアオイちゃんが、2人っきりで遊園地デートに行かせるなんていうときめき回も! ヤエちゃんとモップくんの初々しい(?)やりとりに、ついキュンとしてしまうことでしょう。

 ありそうでなかった“焼肉店”の日常漫画。ドタバタコメディーありラブ要素ありと、読んだあとの満足感はお墨付き。ホルモンのように、噛めば噛むほど味わい深いギャグ漫画です。

文=園田菜々

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