「女にあぐらかいてない?」 話題のオネエ、新宿歌舞伎町ひげガール・ベルが語る“愛されテク”!

エンタメ

公開日:2016/3/3

 衝撃的なビジュアルのキャストが、お客さんをもてなしてくれる老舗オカマバー・新宿歌舞伎町ひげガール。オネエの軽妙なトークから豪華絢爛なショータイムなど、オカマのテーマパークとも評される同店の看板を背負うのが、No.1キャストのベルさん。女性顔負けの美しさと、キレのあるダンスや厳しさのなかに愛のあるトークでメディアに引っ張りだこなオネエ様なんです。そんなベルさん初のフォトブック『Bell Book』(双葉社)が発売されました。

 同書は、白いワンピースで砂浜を歩くベルさんやベッドルームでのセクシーショットに加えて、私服コレクション、ベル流メイク術など女性にとっても勉強になる一冊。女性よりも女性らしいベルさんに『Bell Book』の魅力をお聞きしました。

『Bell Book』の見どころは?

ベル「普段お店で働いている姿とは違う、ナチュラルな私が見られると思います。もこもこの部屋着を着て、彼氏と過ごしている雰囲気が漂う写真がお気に入りなんです。カメラマンさんと部屋でふたりきりで撮影したんですよ」

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 自然体な笑顔がとても印象的なショットがたくさんあるのですが、じつは“ナチュラルさ”を出すのは難しかったそう。

ベル「ショーや接客の癖で、どうしてもキメキメになっちゃうんですよね。緊張はしなかったけど、自然体とキメどころのさじ加減が難しかったです。あ、でもタイの『ゴーゴーバー』(*)で夜遊びしてる写真は、一番ナチュラルな私かも! 好みのゴーゴーボーイと一緒に写真を撮ったりして、ただの旅行写真みたいなんですけどね(笑)」 
(※)タイのバンコクに多く点在するゲイクラブ

 ピンクを基調にした可愛い装丁が印象的な『Bell Book』。その冒頭には「母のヒールをこっそり履いたときから、私のオネエ人生は始まった。(中略)女になってよかった。だってこれが本当の私だから――」という、印象的なエピソードが綴られています。

 そのほか、幼いころ「クリスマスプレゼントにリカちゃんハウスがほしい」と、サンタさんにお願いしたのに「ゲゲゲの鬼太郎ハウス」が枕元に置かれていたという切ない思い出から、叶わなかった初恋までが赤裸々に綴られた、とっても濃い内容が楽しめるのも同書の魅力。なかでも、両親へのカミングアウトという最大の壁を越えるときのエピソードは必見です。

ベル「母親には手紙ですべてを告げて、父親にはお店でカミングアウトをしました。父はどう出るかわからなかったので、何かあったときのためにと、当時の先輩たちが全員見守ってくれました。父が『やりたいことをやれ!』って言ってくれた瞬間に、みんなが泣いて……。私を受け入れてくれた両親にも感謝してるし、キャストにも恵まれたからこそ、今まで頑張ってこられたんだと思います」

努力をしたら、女の子は絶対に可愛くなるはず!

 そして彼女の恋愛テクニックや結婚観など、現代の女性へのメッセージも多く込められているのも同書の特徴。「女性らしい振る舞い」について語った章では「手の位置は上にいけばいくほど若く見えて、下にいけば落ち着いて大人っぽく見える。シックな感じにみせたければ、顔よりも下に。かわいくしたいときは口のあたりに手を当てて」という実践的なアドバイスもあり、ベルさんが長年培ってきた女らしさ研究の成果が垣間見えます。

ベル「私たちオネエは、キレイになるためにはどうしたらいいか、どう見られているかをずっと考えているんです。女性らしい仕草も、意識してやっていれば癖になる。仕事を言い訳にして、振る舞いやメイクが雑になる女性も多いとは思うんだけど、私と同じように努力をしたら、女の子は絶対に可愛くなるはず! 女にあぐらをかいてる場合じゃないですよ。仕事が好きなのは素晴らしいことですが『働くときも美しく』を心がけてほしいかな(笑)」

「仕事が忙しいから」なんて言いながら、スッピン・メガネ・マスクの三種の神器で外出するという女性にとっては、耳の痛いお話……。精進します。

ベル「ただし、私のマネをしすぎると女性に嫌われる可能性が高いです。こんなこと言ったらよくないのかもしれないけど、私は男を喜ばせるために生きてるところがあって、女性に生まれてOLさんになっても、ずっと男に媚を売ってると思います。きっと周りの女性に嫌われただろうから、オカマくらいがちょうどいいのかも(笑)」

 なんて、ブラックジョークも交えながらインタビュー中も終始お美しくにこやかで、いい香りがしていたベルさん。女子力最底辺の筆者は女と名乗るのも恥ずかしくなるほどでした……。

ベル「このフォトブックは、女性にもちろん手にとっていただきたいですが、男性には普段お店にいる私とは違う一面をみてもらえると嬉しいです。何より、オネエの子にも読んでほしい。今の私に至るまでのすべてが詰まっているので、同じ悩みを抱えている子たちに勇気を与えられれば、と思ってます」

 数多あるフォトブックとはひと味も二味も違う『Bell Book』。読むだけで、ベルさん直伝の愛されテクが学べるはず!

 3月4日には福家書店(新宿サブナード店)で、イメージDVD『BELL』の発売を記念した握手会が開催予定。彼女の色香を存分に浴びるチャンスですよ!

取材・文=谷口京子(清談社)