大ヒット写真集『未来ちゃん』、タイトルの秘密

文芸・カルチャー

2011/9/5

平成23年度(第42回)講談社出版文化賞写真賞に輝いた写真家・川島小鳥さんの「未来ちゃん」に注目が集まっている。
  
自主制作写真集として都内のギャラリーで販売した500部は、たちまち完売。ナナロク社から発売された写真集も、このジャンルでは異例の大ヒットを記録している。
  
ダ・ヴィンチ6月号の「今月の絶対はずさない!プラチナ本」、「ひとめ惚れ大賞」にも選ばれた。
  
佐渡島に住むひとりの女の子を一年にわたって撮り続けた作品だが、彼女の名前が未来ちゃんというわけではない。その名は川島氏が捉えたあらゆる未来的なもの、希望そのものに冠されるものなのだ。
  
「未来ちゃんは写真に撮られることの意味さえ知らない感じで、カメラをまったく意識していない。写真家としてはそれが何よりも嬉しかったですね。カメラを抱えたまま、ずっと彼女を観察し、ここぞというチャンスを待っていました」と、川島さんは語る。
  
その魅力は見てもらうほかないが、端的にいえば「決定的瞬間」の集大成である。本作は「!」の連続なのだ。
  
写真の世界では数年に一度、とてつもない才能が現れる。その興奮に立ち会う喜びを、すべての人と分かち合いたい――そんな気分にさせてくれる傑作だ。
  
(ダ・ヴィンチ6月号 今月の絶対はずさない!プラチナ本、今月のひとめ惚れより)