「身悶えするほど可愛い！」とWEBコミック「comico」で大人気！　『ミイラの飼い方』が書籍化！！

　『ももくり』のアニメが放送され、『ReLIFE』のアニメ化も決まっている、今絶好調のWEBコミックサイト「comico」。その作品人気ランキングでも絶えず上位をキープし続けている、ちょっと変わった漫画がある。丸っこくて白い、なんとも可愛らしい生き物が話題の『ミイラの飼い方』だ。本作品は先日2月12日、ついに『ミイラの飼い方』（空木かける/双葉社）として単行本化もされ、早くも重版が決定している人気作だ。

　この作品は、主人公・柏木空（かしわぎ そら）のもとに、エジプトにいる父親から大きな荷物が届くところから始まる。いつも危険なものを送りつけてくる父親からの荷物。今度は一体何が入っているのかと、おそるおそる開けてみると……中には小さくて可愛いミイラがいた。

　突然始まった、空とミイラの「ミーくん」との生活。これがもう、本当に、悶えるほど可愛いのだ。空がミーくんをエジプトへ送り返そうとすれば、家事をするから置いてほしい、と身振り手振りで小さい体ながら必死に訴え、空が飼っている犬のポチに空を取られれば、寂しくてぽろぽろと涙をこぼす。あげく、そうすれば構ってもらえると思ったのか、「わんっ」と犬のような鳴き声で鳴くようになった。

　また、空の役に立ちたいのか、やたらと空がやっていることと同じことをしたがる。怖がりだが好奇心は強く、いろんなものに興味を持ってはチャレンジしにいく姿も愛らしい。ミーくんには表情らしい表情はないはずなのだが、不思議なくらい感情が伝わってくる。

　そして、1巻ではまだ出てこないが、本作にはミーくん以外にも、小鬼やドラゴン、バクなど可愛い不思議な生き物がたくさん登場する。どのキャラクターも個性的で、見ていて飽きない、むしろずっと見ていたくなる魅力がある。

　しかしこのミーくんたち、実はただ可愛いだけではない。彼らは、私欲のために彼らを捕えようとする「コレクター」と呼ばれる者たちに狙われているのだ。本人たちも狙われていることを自覚しており、安全な人間の情報を交換し合ってひっそりと生きている。ミーくんがエジプトから日本に送られてきたのには、そういった事情が絡んでいる様子。WEB版の43話「エジプトの砂」でのミーくんの涙には、見ているこちらまでもらい泣きしてしまう。

　ミーくんが日本にきた詳細な事情はまだ明かされていないが、「コレクター」とミーくんたちの闇も、今後描かれていくだろう。空といるミーくんは基本的には幸せそうだが、自称「冒険家」である父親のことなども含め、まだまだ気になることはたくさんある。単行本には、WEB版では読めない書下ろしや、ミーくん観察日記もついている。まだ『ミイラの飼い方』を読んでいない人は、ぜひとも本書を手に取って、悶絶級に可愛いミーくんを、そして思わず抱きしめたくなる切ないミーくんを感じてほしい。

文＝月乃雫