ヒロインは「オッパイマルダシ」!?

エンタメ

2011/9/5

岸田國士戯曲賞や三島由紀夫賞など、権威ある文学賞に数々輝いた前田司郎さんの新作、『ガムの起源 お姉さんとコロンタン』のインタビューがダ・ヴィンチ6月号に掲載されている。 「子どもの頃、『まんがはじめて物語』が大好きだったんですよ」 モグタンとお姉さんのコンビが「はじめて」を探して追求していく子ども向け教養番組のこと。新作の小説では、ブキミな「お姉さんとコロンタン」のコンビが登場する。 「ガムって不思議。飲み込まないし栄養にもならない。なぜガムは存在するのか。誰がどういう考えで作ったのか。高校の頃から興味があった疑問を “はじめて”観に行くという構成で考えたんです」
  
一筋縄ではいかないのはこのあとだ。
  
「書いていくうちに全然関係のないことに興味が出ちゃって、そっちの方に話が流れてしまい……。最終的に3コぐらいしか“はじめて”が書けませんでした(笑)」
  
なぜこうなったのか? 「昔は旅行に行くとき、ここで何を見て何をしてっていうのを先に決めていったんです。大人になってからは泊まるところだけ決まってて、あとは実際に行ってみて、気になったところにふらっと立ち寄って、ぜんぜん想定外のものを見つけたり、みんなとおしゃべりしたり。そういう旅行の仕方が思いのほか、楽しいんですよ」 豊島区在住の乙女な32歳のお姉さんと川崎の養殖場で生まれたコロンタン。 旅先で出会うのはヒロイン「オッパイマルダシ」やマゾヒズムに目覚めた 「スガタロウ」。前田氏自身の分身や彼の父親も登場する。 これは何か? そう問いかけずにいられない。それでいてとことんおもしろいメタフィクション小説だ。
  
(ダ・ヴィンチ6月号 光文社書店より)