世界でいちばん貧しい大統領が問う。「日本国民は幸せなのか? 」

文芸・カルチャー

2016/3/14

ホセ・ムヒカ

 皆さんは写真の男性をご存じですか?

 彼の名はホセ・ムヒカ。「世界でいちばん貧しい大統領」として知られた、ウルグアイ東方共和国の第40代大統領です。1935年生まれの80歳で、2010年から2015年までウルグアイの大統領を務め、任期中には、2012年ブラジル・リオデジャネイロで開催された「Rio+20地球サミット2012」(国連持続可能な開発会議)でのスピーチが世界の人びとに大きな感動を与え、2013年と2014年にはノーベル平和賞にノミネートされました。

 同スピーチは、絵本『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』(汐文社)として2014年に刊行されるや16万部を超えるベストセラーになり、2015年にはフジテレビ「Mr.サンデー拡大スペシャル」の中でも彼の活動が特集されて話題に。

 大統領時代、給料の大半を貧しい人のために寄付し、大統領の公邸には住まず、町からはなれた質素な農場で奥さんと花や野菜を作り、古びた愛車を自分で運転して大統領の仕事に向かう姿から「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれていたそうで、身なりをかまうことなく働くムヒカ大統領を、ウルグアイの人びとは親しみをこめて「ぺぺ」と呼び今でも慕っています。

 昨年、5年間の任期を終え、国民に圧倒的に惜しまれながらその座を退いたニュースは世界各国で報じられましたが、その後も世界中から注目されていて、世界で最も注目される政治家の1人と言っていいかもしれません。それほど、彼が語ってきた「人間の幸福とは何か?」「貧乏とは少ししか持っていないことではなく、無限に欲があり、いくらあっても満足しないこと」といったメッセージは国籍を問わず人々の心を打ちました。

 そんなホセ・ムヒカ氏が、4月に初めて日本を訪問することが決まったとのこと。これは、彼の政治家としての功績を紹介した書籍『ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領』(3/25刊行。角川文庫)の発売にあわせ、同書の単行本刊行時の出版元(汐文社)の招聘に、「本当の幸せについて、日本の人びとがどんなことを感じているか、理解を深めたい」と、私人としての来日が実現したもの。滞在中は、記者会見や講演会への登壇などを予定しているそうなので、彼のメッセージ、特にいまの日本についてどう思うかなど、その発言に注目です。

 

来日前のホセ・ムヒカ氏より届いた日本人へのメッセージ

ホセ・ムヒカ

「わたしは日本人に問いたい。日本国民は幸せなのか? 人びとは人として達成感を得ているのだろうか? 人生は短いし、スーパーで多くのものを購入することはできるけど、人生における時間は買えないのだ。今回の日本への旅は観光旅行ではないし、すべての疑問に対する手がかりや答えを得ようとしているわけでもない。そうではなくて、技術的に非常に発展した日本との相互理解を深めるものにしたい。日本社会に、ウルグアイを待ち受けている事柄の、何らかのサインがあるように思うから。日本の人びとがどんなことを感じているかを、知りたいと思うんだ。」

――ホセ・ムヒカ

 

ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領

『ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領』

アンドレス・ダンサ、エルネスト・トゥルボヴィッツ

これほど愛された政治家が日本にいるだろうか?! 米国×キューバ国交回復の裏で暗躍したのはムヒカ氏だった。「大統領を辞めたら出してもいいよ」と自身が語った裏話を満載した、19年間の取材に基づくベストセラー!! 世界8ヵ国で翻訳刊行。

 

世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ

『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』

編:くさばよしみ 絵:中川学

ムヒカ前ウルグアイ大統領の伝説のスピーチを絵本にした、16万部を超えるベストセラー! 貧しさとはなにか? 本当の幸せとはなにか? その問いかけが胸をゆさぶる。幸せな人生の本質を見失いがちな私たちに、「本当に大切なこと」を教えてくれる一冊。