壇蜜流「どうしよう」な状況の回避方法が画期的!【寝坊したとき・ストレスが溜まったとき・噂を流されたとき】

暮らし

公開日:2016/3/18


『どうしよう』(壇蜜/マガジンハウス)

 日常にはありとあらゆる「どうしよう」な状況が潜んでいる。顔はわかるけど名前が出てこない人に話しかけられた、とにかく寝坊した、とんでもない噂話を流された…。『どうしよう』(マガジンハウス)は、そんな「どうしよう」な状況を綴った、壇蜜の書き下ろしエッセイ。

 壇蜜といえば、29歳でグラビアデビューし、瞬く間にお茶の間の人気者になったマルチタレント。グラビアもするし、肌の露出の激しい映画にも出る。そうかと思えばNHKの語学番組や、民放のサブカル番組にも出る。

 あんまり色々やり過ぎるものだから、彼女をイロモノ扱いする人も多い。だけど、とりあえず本書を読んでみてほしい。この人ほど日常を人とは違う視点から切り取れる女性タレントは、多分ほかにいないと気づくと思う。それで“やっぱり壇蜜って多才なんだな”と頷くはず。

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 本書で紹介されている「どうしよう」な状況と、壇蜜流の回避方法をちょっとだけ紹介しよう。

寝坊したときの「どうしよう」

 例えば、冒頭で紹介した“とにかく寝坊した”という「どうしよう」な状況。壇蜜ならどう回避するのか? 答えは、「回避しない」。素直にありのまま受け止め、言い訳も一切してはならない。

「『どうして寝坊したのか』を聞かれても、『起きられなかった』で済ませて、情報を小出しにしたり尾ひれをつけて同情を誘わない。……ここまでが『寝坊した者』としての重厚で冷静な反省スタイルと提案する」本書より引用

 居直ったら最後、余計な火種を生むだけ。寝坊はシンプルに謝り、冷静にやり過ごすのが最良と壇蜜は語る。

ストレス解消の「どうしよう」

 何かとストレスが溜まる現代社会。耐え難い仕事や人間に直面したときの「どうしよう」。壇蜜いわく、無理して乗り越える必要はない。逃げちゃえばいいのだという。

「私には逃げたがゆえにもう二度と連絡を取れない者が数名いるし、もう二度と足を踏み入れることを許されないような場所もある。(中略)別に構わないしね。最低と言われても死ぬよりマシだ」本書より引用

 逃げたあとのリスクはそれなりに伴うが、死ぬよりマシ。まさにその通り。一般企業と芸能界の荒波を乗り越えてきた壇蜜が言うと説得力が違う。辛くてどうしようもない状況なら、潔くエスケープ。これっきゃない。

噂を流されたときの「どうしよう」

 芸能人は、圧倒的に悪い噂を流されることが多い。壇蜜自身、年収2億、赤坂在住、ホストと付き合うなどなど、様々な噂が流されたという。それらすべてがガセだったわけだが、結局「騒ぎたいだけの勢力には何を言っても無駄」だと切り捨てる。

「噂を確認されたらゆっくり微笑み『まさかぁ』と言う。そして『だといいですけどね』と、それ以上の情報を与えないに限る。噂の大敵は『リズムを狂わせる態度』、だ。」本書より引用

 相手のペースに決して合わせない。これが噂に対する上手な切り返し方なのだ。

 もしかしたら、私達は今夜にも「どうしよう」な事態に直面するかもしれない。そんなときは壇蜜の言葉を思い出そう。この人が言うとなんだか大丈夫な気がしてくる。やっぱり壇蜜ってすごい!

文=中村未来(清談社)