UFO、神隠し、臨死体験 田口ランディの新作は尋常ならざる事象満載!

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/28

女子中学生の「神隠し」事件を皮切りに、UFO目撃、キツネつき、臨死体験、アブダクション(宇宙人による誘拐)体験の告白など、次々に起こる尋常ならざる出来事。 今そこで何が起こっているのか、そしてこれから何が起ころうとしているのか。翻弄されるままにストーリーは進んでいく。
  
田口ランディの最新小説『マアジナル』(角川書店)は、著者にして「読者に途方にくれていただきたい」とする作品だ。
  
1987年10月。能登半島のある町で、一人の少女が消えた。事件は解決しないまま時が流れ、やがて一人の編集者が事件の「その後」を追うことになる。調べれば調べるほど、事件は彼の知っていたものとは別の顔を見せ始めるのだ――。          
  
        本作で取り上げられた事象の数々は、世間では超常現象やオカルトという枠で語られることが多い。
  
「幽霊を馬鹿にして、あんなもの怖くないという人でも、放射性物質だと怖がっている。そもそも放射性物質とはなにかって話になると、正確に説明できる人はいったいどれほどいるんでしょう。この小説に登場している人たちは、みんなが否定するものを見た。『自分』にこだわらない限り、自分を否定せざるを得なくなってくる。でも、見てしまったという自分の感受性を信じる限りにおいては、世界の認識の仕方がちょっと変わらざるを得ない人たちなんです」
  
今回、田口さんは同じテーマを扱ったノンフィクション『アルカナシカ』(角川学芸出版)を出版する予定だという。
  
「この小説を読んで、あまりにもわけがわからないと思う人は、そちらを解説書として読んでいただくといいと思います。そうすれば多少は途方にくれなくて済むかもしれません(笑)」
  
(ダ・ヴィンチ7月号 今月のブックマークEXより)