イケメンすぎるアラカンドクター・南雲流 いつまでも美しく若々しくいられるライフハック術

健康・美容

公開日:2016/4/13


『きれいカッコいいシニアになろう! 40歳から始める人生の変え方』(南雲吉則/主婦の友社)

 ゴボウ茶、水シャワー、1日1食など、多くの健康・アンチエイジング法を提唱してきた、南雲吉則ドクターが新たな本を出版した。その名も『きれいカッコいいシニアになろう! 40歳から始める人生の変え方』(南雲吉則/主婦の友社)である。

 「きれいカッコいいシニア」とは、南雲先生の還暦を過ぎたとは思えない、スリムで引き締まった体型・美肌を見れば分かるであろう。けれども本書はそれだけではない。「カッコいいシニア」であるための、作法・志し・生き方をも記された、いわば“ライフハック”書である。シニアだけではなく、むしろアンチエイジングを実践したい若い人こそ今すぐ読んでおきたい一冊だ。

 南雲先生の指す「カッコいいシニア」とは、先ほども述べたように見た目だけではない。「成熟・熟成」された自身の経験を社会に還元し、次世代をサポートする人物のことだ。だがこのような使命をまっとうするためには、一にも二にも健康が大切となる。

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 そう、何をするにも健康が基本だ。そして健康とは、消化管や血管、内臓が健全でないといけない。健康の基本は「腸内環境」を整えること。そして体の中身は肌に反映される。そのため「きれいな肌」を目指すこと。そして、人の役に立つには筋肉や骨の強度も必要だ。そのための「体型づくり」。加えて、健康を害さないための環境、「家」づくりも重要となってくる。

 数多くの本を執筆されている南雲先生だが、本書で特筆すべきは、家を整える方法を数多く披露している点だ。家の有り様は心の様相を写す。ゴミ屋敷では社会から孤立する。ゴミ屋敷とまでいかないまでも、不衛生な家で過ごすことは病気を引き起こしやすい。健康な体をつくるには、家も健やかに保つべきであると。その実用性や具体的な実践方法は、生活アドバイザー顔負けの数である。

「ながら」掃除、科学的根拠でいつでもきれいな家に

 例えば床ふき・窓ふきは最高の肩こり予防になるそうだ。肩こりは肩甲骨周辺の筋肉を「使わなすぎる」ために起こる症状。肩甲骨を動かすには、先祖返りして猿のように4本足で歩くこと。家の外でそんな格好をしていたら笑いものだが、家の中なら床掃除と同じ要領だ。つまり毎朝、床をふきすれば、肩こりも解決だ。そして高い窓も背伸びをして、ふき取る。肩甲骨を上にずらす運動は、筋肉を伸縮して血流を改善する。

 最近流行りの、ベッド用掃除機。ダニ・ホコリがたくさん吸引されると評判だが、わざわざ掃除機をかけなくとも、シーツをこまめに洗濯することの方が安上がりで確実だ。そう、南雲流の掃除術は、道具不要・手間いらずが基本。

 そのため洗剤も風呂用・シンク用・床磨き用と多くを揃える必要はない。いわく、洗剤は「容器と用途が違えど、中身はいっしょ」とのこと。実は石けんひとつで家中、さらには髪・体・食器まできれいにできるという。

 このように掃除を面倒くさくしている理由の一つが、この「専用の道具と洗剤」を用意しなければ、という思い込みだ。だがそんな必要はない。そして「ぞうきん」なんて道具も用意しなくてもいいと。体を拭いたバスタオルで浴槽の中も、口をふいたお手ふきで、そのまま食卓、そしてその床も。
 ぞうきんと食器用タオルの洗い分けなんてしなくともよい。なぜなら洗剤は汚れを包み込み、衣服を再付着させないから、洗い分けもいらない。私たちは、非科学的に「浄/不浄」を区別しているが、それは思い込みだ。そして思い込みが家の手入れを怠りがちにさせると。


美肌を手に入れるお手入れ法、食事アドバイスと盛りだくさん

 ながら掃除に、もったいない精神を生かした使い回しふき取りなど、女性がアドバイスしがちだった分野を、男性が、しかも医師から指導される家の手入れ術は新鮮である。そしてナマケモノの男性にも実践しやすいだろう。

 しかし、家をきれいにする術は本書の4分の1にしかあたらない。肌・体型・腸を健康で美しく保つための方法も本書には詳しくかいてある。包丁いらずの腸内フローラを保つサラダのつくり方。そして、シミを作らない肌の手入れ術。南雲先生がアドバイスしてきた数々の知恵がこの一冊に凝縮されている。


 繰り返し述べるが、これはただ外見を整えるための本ではない。「志しを叶えたい」人のためのアドバイスだ。実践的なマニュアルの間にも、南雲先生の考える生き方、良き年の取り方にも触れている。南雲先生のような、老いない「生き様」。その秘訣を知りたい人にもお勧めしたい。老若男女すべての人に得られるものの多い一冊である。


文=武藤徉子