自衛隊メンタル教官があなたを「自信のある人」に変える! 驚異の「自信育成法」

ビジネス

公開日:2016/4/19


『自衛隊メンタル教官が教えてきた 自信がある人に変わるたった1つの方法』(下園壮太/朝日新聞出版)

 どことなくなんとなく常に自信がない、生まれてこの方自信があった時期がないような気がする、自信がないことにかけては絶対の自信がある、等々パターンは様々だが日本人はおしなべて自信がない人が多い。

 それもやることなすこと全てダメだから自信を喪失したというより、生真面目で成長意欲があるからこそ自分にダメ出しをしまくって落ち込んでしまう傾向があるようだ。このいかんともしがたい不安な感じはもはや国民病の様相を呈しているが、そんな日本人のために編み出されたシンプルな「自信育成法」があると聞いたら試してみたい。

自衛隊メンタル教官が教えてきた 自信がある人に変わるたった1つの方法』(朝日新聞出版)は、強いストレスにさらされる自衛隊員をケアしてきたカウンセラーである著者・下園壮太の20年以上の経験から導き出したメソッドが分かりやすく紹介されている。

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今、ここで始められる! 簡単すぎる自信育成法

 早速その「たった1つの方法」だが、

自分の生活を振り返り、

・良かったところを3つ
・悪かったところを1つ
・今後の改善策を1つ

を挙げる。

 これを1日1回以上のペースで繰り返していく。ノートに書いたり、スマホなどのメモ機能を使ったりすると後から振り返れるのでオススメ。

 こ、これだけ!? あまりにも単純で信用できないと思うかもしれない。しかしこの方法は1つ1つの作業に根拠がある。

 そもそも自信がなく常に不安なのは、自己評価が厳しすぎるから。自分の悪いところにフォーカスしているのが原因だ。もちろん進歩したいからこそ失敗に目がいくわけだが、欠点ばかりあげつらわれたら心が折れるのは当然だし、実際は美点や成功もたくさんあるのだからそれを無視するのはバランスが悪い。自分を過小評価する癖を矯正するため、毎日必ず3つ自分を褒める。

 一方で良いところだけ見る超楽観的態度だと「自分に嘘をついている」「運が良かっただけ」と思いがちなのも日本人。そこで良かったことだけでなく悪いところも1つピックアップし、それに対してポジティブな改善策を考え、行動を促す。

 このメソッドは、日本人が一番自信を感じられるのは「不安を原動力にして改善に向かっているとき」という性質を利用したもの。悪いところがあれば、それは不安の要因となるが、改善の原動力にもなる。その結果、「自信がないゆえに引っ込み思案になり、結局何もしない」という消極的姿勢から自然に脱却できる仕組みだ。頻繁にこの作業をすることで状況判断が継続的になされ、改善策や目標が随時更新・修正されるのでゴールに到達しやすくなるというメリットもある。

 ポジとネガが3対1となる絶妙のバランス、行動に繋がることでやりがいや達成感が生まれること、頻繁に行うけれど作業それ自体はそれほど難しくない…計算し尽くされた方法なのである。

成功のコツは「良いところ」探し

 とはいえこれを実行しようとして、すぐに躓く人もいるかもしれない。そもそも自信がない人は自分の良いところを見つけるのが苦手なのだ。悪いところならともかく、はじめは良いところなどなかなか見つからない。そこで著者が勧める良いところ探しコツは…。

・部分成果(例・プレゼンは失敗したけれど、資料は分かりやすいと評価された)
→全体の結果だけ見ないで、部分的でも良かったところに注目する。

・プロセス成果(例・プレゼンは失敗したけれど、他者の情報を知ることができ た)
→長期的視点に立てば前進していること、役に立つことを評価する。

・副次効果(例・プレゼンは失敗したけれど、チームワークを実感できた)
→経験をできるだけ前向きに捉える。自分の心が喜んでいることを意識する。

 この3つに着目してみてはいかがだろう。ほら、「今は自信がないけれど、自信のなさを克服しようと努力を始めた」…など、どんどん見つかりそうだ。

 本書には他にも「読むだけで心が軽くなる自信サプリ」が3種、「底堅い自信のための目標設定術」などを収録。この春からの新しい生活に、仕事に役立つ提案が満載である。

文=青柳寧子