給与明細はしっかりと理解できている? 初任給はどう使う? 知らないと恥ずかしい「お金の常識」

ビジネス

公開日:2016/4/25


『社会人1年目からのお金の教養』(泉 正人/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 人生とお金は切っても切れない関係だ。お金がなければ生きていけないし、それを手に入れるため、一生の大部分の時間を割いていると言っても過言ではない。

 さて、そんなお金の価値は、「一定」だと思うだろうか? 千円の価値は、普遍的に千円の価値なのだろうか。「当然じゃないか」と不思議に思う人もいるかもしれない。だがそこに、「お金の落とし穴」があり、「お金の教養がいかに大切か」が隠されている。なぜなら、お金ほど「使い方や使う人によって大きく価値が変わるものはない」からだ。

 つまり、お金の価値を決めるのは「自分」ということ。お金に振り回されるのではなく、自分が主導権を握る。そんな生き方をしていくことが、人生をより良いものにしてくれる。そこで必要になるのが、「お金の教養」なのだ。

社会人1年目からのお金の教養』(泉 正人/ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、社会人になったばかりの新入社員でも分かるように「お金の基本」と「お金との関わり方」を説明してくれている実用書だ。「新卒向け」ではあるが、もちろんそうではない人にも読んでもらいたい。新入社員に限らず、案外知られていない「お金の常識」はたくさんある。

 例えば、給与明細。

 特に初任給をもらった時、「事前に聞いていた給料と違う!?」と焦る方も中にはいるのではないだろうか。税金を引かれ、いわゆる「手取り」のお給料になると「どうしてこんなに少なくなるの?」と不満に感じてしまうことも。

「社会保険がいつどこで役立つのか知っている」ことも、大事な教養だ。社会保険は「年を取ったり、病に倒れたり、失業したときなどに、現金やサービスの給付を行政から受けることで生活を保障する制度」だ。「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」などがこれにあたる。 

 これらが天引きされた給与明細を見ると、手取りの収入が減ってしまうことから、なんとなく損をした気持ちになってしまうが、自営業やフリーランスに比べ会社員は優遇されていることを忘れてはいけない。「だからこそ仕事に全力投球できている」という意識に変換してもらい、社会人生活のモチベーションを高めてほしい。

 また、社会人になれば身近になる「消費者金融」について。テレビでは、有名なタレントを起用したCMが流れているが、安易に活用するのは危険な行為だ。もちろん、消費者金融が危ないと言っているわけではない。危ないのは、知識がないことだ。「消費者金融は利息が高く、返済が一度滞ったり、収入が減ったりすると返済が計画どおりにならなくなってしまうという明確なデメリットがある」ことを忘れてはいけない。

 一番関わってはいけないのが、「ヤミ金融」だ。ヤミ金融とは、国や都道府県には非公認で金融業を行っている会社のこと。もちろん「ヤミ金融ですよ」と近づいてくるわけではないので、しっかりとした知識を持ち、ちゃんとした金融会社なのか否かを自分で見極めなくてはいけない。「ヤミ金融」の特徴は「金利が高い、元金が減らない、返済期間が短い、『審査不要・即融資・低金利』などの甘い言葉で釣る」といったところ。お金を借りる場合は、充分に気を付けてほしい。

 本書にはこういった具体的な「お金の知識」「リスク管理」に関する記述もあるが、「人生とお金」という観念的な視点からのアドバイスもある。

 世の中には「消費」「投資」「浪費」という3種類のお金の使い方があるそうだ。これは基本中の基本だが、この3つを常に意識して買い物をしている人は少ないのではないだろうか。

「浪費」は「必要以上に飲み食いしたお金・欲にまかせて買う高級品、嗜好品のお金」
「消費」は「日々の生活をするために必要なもの。光熱費や食費など」
「投資」は「株や不動産など、将来の資産形成のためにつながるもの。キャリアアップの資格取得や健康維持のための食費など、自己投資も含まれる」

 お金を使った際には、「この3つの内、どの使い方になるだろうか?」と、少し考えるだけでも「お金の教養」を身に付ける一歩となるだろう。

文=雨野裾