卵もバターも生クリームもチーズも使わない! 簡単でおいしいタルトとキッシュ【作ってみた】

食・料理

公開日:2016/4/27


『卵・バター・生クリーム・チーズをつかわないタルトとキッシュ』(伴 奈美、深澤暁子、今井洋子/河出書房新社)

 お菓子を作りたい、と思い立って材料をそろえると、「買った方が安かったのでは?」というくらい材料費がかかったりする。その中でも大きな割合を占めているのが、生クリームとバター、そしてクリームチーズ等のチーズ類。しかも、特に生クリームは一度開けると日持ちせず、余ったまま傷んで捨ててしまうということもある。手間がかかる上に高くつくとなると、買った方がいいと思うのも頷ける。

 そんな中、卵、バター、生クリーム、チーズを使わずにタルトやキッシュを作るというチャレンジャーなレシピ本が登場した。その名も『卵・バター・生クリーム・チーズをつかわないタルトとキッシュ』(伴 奈美、深澤暁子、今井洋子/河出書房新社)。キッシュというと、卵液に材料を加えて混ぜたものを生地に流し入れて焼いたもの、というイメージがある。あながち間違ってはいないはずだ。それなのに、キッシュに卵を使わないとはどういうことだろう? タルト台も、バターがあのサクサク感を生み出しているのでは……? いろいろと気になったので、実際に作ってみた。

「シトラスの豆乳カスタードタルト」(P.12、P.14)


 まずは、見た目も豪華な「シトラスの豆乳カスタードタルト」。全粒粉、薄力粉、片栗粉、植物油等でタルト台を作り、シトラスダマンドを入れてオーブンで焼く。さらに豆乳、ココナッツオイル、葛粉等を使用した豆乳カスタード、薄皮をむいたみかんとグレープフルーツをのせ、葛粉とりんごジュースを煮た葛パナージュを塗れば完成。シトラスダマンドは、下で紹介するクランブルタルトのクレームダマンドにレモン果汁を加えたもの。

 豆乳や葛粉、全粒粉を使うことで、卵やバターを使わなくてもタルトはサクサク、クリームはとろりとした食感に。豆乳カスタードは、卵が入っていないとは思えないくらいにカスタード味になるから驚きだ。

「りんごとクランベリーのクランブルタルト」(P.18~P.19)


 続いて、クランブルの食感が楽しい「りんごとクランベリーのクランブルタルト」。上のカスタードタルトと同様に作ったタルト台に、アーモンドプードル、全粒粉、絹ごし豆腐等で作ったクレームダマンドを入れ、りんごとドライクランベリー、レモン果汁、レモンの皮を植物油とてんさい糖でソテーしたもの、アーモンドプードル、全粒粉等を混ぜ合わせたクランブル生地をのせてオーブンで焼く。

 てんさい糖がない場合は、三温糖でも美味しく作れる。動物性のものを一切使っていないのに、不思議なくらいザクザク、しっとりしていて美味しい。りんごとクランベリーの甘酸っぱさがちょうどよく、くせになる味。

「きのことトマトのキッシュ」(P.72~P.73)


 最後は、本当に卵を使わなかった「きのことトマトのキッシュ」。全粒粉、強力粉、豆乳等でキッシュ台を作る。玉ねぎ、きのこ類、ドライトマトを炒めて豆乳、葛粉、木綿豆腐、白みそ等で作った豆腐アパレイユに混ぜ込んだものをキッシュ台に入れ、プチトマト、オリーブオイル、塩を加えてオーブンで焼けば出来上がり。

 白みそと塩だけでは味付けが足りないような気がしたが、ドライトマトときのこ類の出汁で旨みもたっぷり。この材料でここまでできるのか、と目から鱗。

 作る前は「美味しくないのでは?」と不安だったが、どれも完成度が高く、驚きの連続だった。乳製品を使わないので、乳製品アレルギーの人にも重宝しそう。この『卵・バター・生クリーム・チーズをつかわないタルトとキッシュ』には、他にも「オニオングラタンの酒かすクランブルキッシュ」「豆乳チーズタルト ベリーのコンポートソース」「高野豆腐のボロネーゼキッシュ」など、気になるレシピが満載だ。ぜひとも本書で、乳製品なしでここまでできるんだ!という感動を味わってほしい。家に常備する食材が、豆乳や全粒粉、葛粉などに変わるかもしれない。

文=月乃雫