「いないいないばあ」に隠された、驚きの育脳効果!

出産・子育て

公開日:2016/5/18


『脳科学おばあちゃん 久保田カヨ子先生の0~1才頭のいい子を育てるふれあい育児』(久保田競、久保田カヨ子/主婦の友社)

 できることなら、わが子を頭のいい子に育てたい。そう考える親は多い。ところで、「頭のよさ」とは何だろうか? IQ(知能指数)と同じだと言い切ってしまってもよいのだろうか。

 “脳科学おばあちゃん”として人気が高い久保田カヨ子さんのロング&ベストセラー育児書が改訂された。書名は『脳科学おばあちゃん 久保田カヨ子先生の0~1才頭のいい子を育てるふれあい育児』(久保田競、久保田カヨ子/主婦の友社)。本書は、「学歴とIQには相関関係があるものの、IQと、一般的にいわれる“頭のよさ”とは100%イコールではない」と述べる。

 本書が規定する“頭のよさ”とは、ズバリ「問題解決能力」。頭のいい子は、何か問題にぶつかっても、問題の本質を見抜き、どうすればそれを解決できるかを考え、行動できるという。そして、高い問題解決能力は、大脳の「前頭前野」の働きによって決まるとし、赤ちゃんのときから脳にたくさんの刺激を与え、脳を効率よく発達させていくのが、頭のいい子に育てる方法だと説明している。

 本書によると、赤ちゃんの“脳”を鍛えるには、「発達に合わせた刺激を与える」「できるだけ早い月齢からスタートする」など、いくつかのポイントがある。その中で、今回紹介したいのは、「繰り返し刺激を与える」というポイント。

 赤ちゃんの脳は、刺激を受けるたびに神経回路が複雑化し、脳の発達が促される。この神経回路は、1日に何度も同じ働きかけを繰り返すほど、よりしっかりとしたものとして強化される特長を持っている。そして、神経回路を強化する遊びとして本書で紹介されているのが、誰もが知っていて、かつ簡単にできる「いないいないばぁ」なのだ。また、「いないいないばぁ」は、脳のワーキングメモリーシステム(短期記憶)を鍛えるのにも適している。ワーキングメモリーシステムは前頭前野のいちばん基礎になる働きであり、ここが鍛えられ、一時的な記憶を長く働かせることができるようになると、物事を考えたり、同時作業などの複雑なことをしたりするのが得意となる。当然、問題解決にも効果を発揮する。

 本書は、「いないいないばぁ」のバリエーションも紹介している。親が自分の顔を隠すスタンダードな「いないいないばぁ」に子どもが慣れたら、「ばぁ」をじらしたりすばやく見せたりと、タイミングを変えてみる。また、ついたてやカーテン、ドアの陰などに隠れて「ばぁ」と顔を覗かせてみる。

 さらには、親と赤ちゃんでいっしょに鏡を見ながら「いないいないばぁ」をする。赤ちゃんが鏡の中の親ではなく、振り向いて本物の親の顔を見るまでやってみることを勧めている。

 このように、単調になってしまいがちな「いないいないばぁ」もバリエーションを増やすことで何度も楽しく遊べ、赤ちゃんの神経回路を複雑化させつつ、ワーキングメモリーシステムも鍛えることができる。

 本書では、赤ちゃんの脳を発達させることを“育脳”と呼んでいる。育脳は赤ちゃんの時期だけ行うのではなく、せめて小学生になるくらいまでは続けるのが好ましいようだ。育脳で育った脳は、高校や大学になっても伸び続けるという。とはいえ、そんな先のことばかり考えていては、親のほうが疲れてしまうというもの。「楽しみながら子どもの脳を育ててみよう」…そんな肩の力をちょっと抜いたスタンスがよさそうだ。

文=ルートつつみ