「松田颯水」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ

公開日:2016/5/19

編集部が注目する声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第121回となる今回は、アニメ「紅殻のパンドラ」ブリーーーー役、「アイドルマスター シンデレラガールズ」星輝子役などを演じている松田颯水(まつださつみ)さんです。

advertisement
松田颯水

――3月まで放送されたアニメ「紅殻のパンドラ」に出演されていましたが、ブリーーーー役を演じてみた感想は?

松田:ここまでフルスロットルでおバカなことをするキャラは初めてなので、あ、おバカになるのって体力いるんだな!って思いました(笑)。あと、キャラ名を言うのが難しいです。本当は“ブリ”の後につづく名前があるんですけど、何かしらの爆発に巻き込まれたショックで言えなくなってるんですよ。“何かが起こった風”に名前を言うのは大変だなって(笑)。現場で先輩のアドバイスをいただきながら演じたりしています。

――名和宗則監督が、昨年12月に公開された劇場イベント上映版アニメの初日舞台挨拶で、「(バニー役の)村川梨衣さんと松田さんのテンションの高さに作画のほうを合わせていった」とお話されていましたが、アニメのほうでもそういった節はあるんですか?

松田:あはは。アニメのほうでも、やりたい放題かもしれません(笑)。メインキャラとは別のところで登場するキャラクターということもあって、ある程度、自由に遊ばせていただいてます!

――颯水さん的な「紅殻のパンドラ」のみどころを教えてください!

松田:特撮好きからすると、3GCGで描かれるキュートな形のロボットとか、砲弾をいっぱい打てるようになっているメカとかに目がいっちゃいます。ロボやメカが好きな方にとっても、たまらないんじゃないかなって。女の子とメカの融合を楽しんでいただけたらと思います!

松田颯水

――「アイドルマスター シンデレラガールズ」星輝子役としては、ゲームやアニメだけでなく、ライブにも出演されています。

松田:もうほんっとうに、キャラクターへの愛が深まるばかりですね(笑)。輝子ちゃんのカードをゲームで見つけると、ゲットできるまでめっちゃプレイしてます(笑)。

――星輝子というキャラクターの好きなところは?

松田:世界に怯える小動物のようで、守ってあげなければと思わせてくれる一方で、ライブになるとヒャッハー!って自分に自信を持って表現できるところです。よっしゃー!自分も一緒に頑張らなきゃ!って思わせてくれます(笑)。

――自分のキャラ以外で、気になるキャラクターは?

松田:特撮好きとして注目しているのは、特撮アイドルの南条光ちゃん(笑)。ものすごくシンパシーを感じます! 性格的にとても魅力的だと思うのは、諸星きらりさんですね。常に周りの人をハッピーにすることを最優先しているキャラクターなので、見習いたいなと(笑)。

――ライブのステージ上で心がけていることはありますか?

松田:かわいいモードのときは、客席のプロデューサーさんたちの目を見るようにしてます。逆に、ヒャッハー状態のときは、視線を合わせるというより、みんなで楽しんでいこー!ってその場を先導していくイメージ。そのときだけは、星輝子はかっこいいんじゃー!って心の中で思ってます(笑)。後から映像を見るとファー!ってなりますけど(笑)。

松田颯水

――双子のお姉さん・松田利冴(まつだりさえ)さんも声優ということで、ビジュアルや声が似ているなと思いますが、本人たちから見て「やっぱり違う!」と思うこともある?

松田:自分たち的には、お互いのノリが違うような気がしてます! 相方が静で、自分が動みたいな(笑)。大阪人的な観点でいうと、ボケ方が違って(笑)。相方は天然が入っているようなボケ方なんですけど、我はもう、ボケてますー!っていうスタイルで。アグレッシブなほうが颯水、包み込むような菩薩タイプが利冴。よく姉のことを「菩薩だねえ!」って言うんですけど、悟りを開いている系の女子なんです(笑)。

――小さい頃からそうだったんですか?

松田:幼い頃は反対だったかも。颯水があまり笑わない子で、利冴がよく笑う子でした。でも、ある頃から颯水がファアッ!ってなってきて、それを見た姉が「しっかりせな!」と思ったみたいで(笑)。気が付いたら今の感じになっていたので、バランスをとろうとしていたのかもしれません(笑)。2人でしゃべっていると、ボケツッコミしてるみたいって言われます(笑)。

――(笑)。好きになる対象は同じですか? 違いますか?

松田:基本的には似てるんですけど、好きな色だけはいつも違います。我は赤、相方は緑が好きで、それも別に、分けようと思っているわけじゃないんですけど、色違いの服を見つけると、赤でしょ、いやいや緑でしょって意見が分かれて。気が付いたらオールウェイズクリスマスみたいな双子に(笑)。たまに相方の服を貸してもらうんですけど、しっくりこないんですよね(笑)。

――声優の仕事を始めてから2人暮らしをしているそうですが、家事などの役割分担は?

松田:颯水が率先してやってしまいます(笑)。掃除とか、料理とかを先にやり始めて、「りっさん、やるでー!」って利冴を連れてくるっていう。でも、我は裁縫だけがあまり得意ではなくてですね(笑)。イベントの衣装を自分で用意するとき、丈が長めかなーと思っても、我は面倒だからこれでいいわーって言うんですけど、りっさんは「あかん!もっとかわいい丈にせな!」って直してくれたりとか。そこは頼れるところですね〜。

――声優になりたい、と思ったタイミングも一緒だったとか。

松田:すごく特撮が好きで、「仮面ライダー電王」っていう声優さんが特にフィーチャーされた特撮を見たときに、声優ってすごいお仕事だなと感銘を受けまして。でも、両親に言い出しづらかったんですよ。高校のときにアニソングランプリという大会に出ていて、我が歌手になるものだと両親は思っていたから。それで相方に相談したら、「え、あんたも?」って言われて(笑)。まったく同じ温度感で「声優さん凄い…!」って特撮を観ていたみたいです。

松田颯水

――その頃、どんなジャンルの声優になりたいと思っていた?

松田:これは大阪人的な感覚なんですけど、おいしいキャラを演じたいなと(笑)! 電王って、関俊彦さんが演じていらしたモモタロスの感情表現がすごく自由で。人形だから表情はないのに、声の表現で楽しさが伝わってくるなんてすごい、自分もそう思われる声優になりたいと思った記憶があります。今は、声優として歌を歌う姿を親に見せたいという気持ちもありますね。

――夢を実現するために「これだけは努力した」と思えることは? 声優への道は狭き門だったと思いますが。

松田:自分らしさの塊を探し続けたことですね。養成所の1年目が終わったときに、事務所の所属オーディションで最終審査までいかせていただいたんですね。でも、周りのみなさんが本当にお上手だったんです。終わった後、講師の方にそれを話したら、「たった1年しか勉強していない人間が、何年も勉強している人に芝居で勝てるはずないじゃん」と言われて。その翌年に入所するまでは、必死だったのを覚えてます。

――自分らしさの塊は見つけられましたか?

松田:…よく分かりません(笑)。でも、こうやってお仕事をいただくようになり、周りの方から評価されて初めて気づくことは多いですね。

――颯水さんが「私はこれでできています」と思う、3つの成分を教えてください!

松田:私の成分ですか? 1つ目は特撮! 2つ目は「面白きことは、良きことなり」精神。3つ目は「古風」。周りの方から言われることが多いので。

――「面白きことは、良きことなり」精神とは?

松田:おもしろければなんでもいい!という、言葉そのままです(笑)。恥ずかしいと思うようなことでも、面白いって言われると、途端にやる気が出ちゃうんですよ(笑)。

――「古風」は、どんなときに言われるんですか?

松田:昭和の歌謡曲とか、「仮面ライダーBLACK」のお話をさせていただくときに言われます(笑)。よく年齢を詐称してるんじゃないかって(笑)。歌謡曲は、さだまさしさんとか、かぐや姫さんとか。中森明菜さんのような、いわゆる昭和のアイドルも好きです。この前は、ジュリー(沢田研二)さんのライブ映像を観ました! いや〜すごいんですよ! だって、クルクル回る照明を目に当てて、ライブ中に目の色をどんどん変えていくんですよ? よく考えるな〜って思いました。

松田颯水

――カラオケでよく歌う曲も、歌謡曲系?

松田:そうですね。特によく歌うのは、松田聖子さんの「SWEET MEMORIES」。2番の英語の部分までしっかり歌います(笑)。

――毎日必ずしている習慣はありますか?

松田:必ず、姉の利冴に「おはよう」と「おやすみ」を言うことです。つい寝落ちしちゃうこともあるじゃないですか。でも、「おやすみ!」って言うと、意外と起きてたりして。2人で一緒にいるからには、お互いに声を掛け合おうっていつも話してるんです。家を出るときも必ず「行ってくるわー」って声を掛けてますね。

――今年の始めにTwitterで「行ったことのないトコに行ったり!やったコトのないコトをたっっくさんやろう!」とつぶやいていましたが、どんなことにトライしたい?

松田:あのときは「超英雄祭」というイベントに行ったんですけど、今度は生パンダを見に行きたいです! パンダ好きなのに生でパンダを見たことがないので。ずっと興味があるボルダリングもやってみたいし、高いところは苦手だけどスカイツリーにも登ってみたいし。中島唯さん、大空直美さんと一緒にパーソナリティを担当している「めっちゃすきやねん」というラジオ番組が、今年4月で4年目を迎えるんですよ。もっといろんなお話がしたいけど、それには、もっといろんなものに触れないといけないなって思ったのが大きいかもしれないです。

――今年は、そんなトピックスが少しずつTwitterにあがるかもしれませんね! 最後に、読者へのメッセージをお願いします。

松田:松田を見ると楽しくなる!って思っていただけるように、どんなことにも挑戦していきたいと思っていますので、凹んだときや、もっと楽しくなりたいとき、松田のことを見て、聞いていただけたら嬉しいなと思います。よろしくお願いします!

【声優図鑑】松田颯水さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

松田颯水

松田颯水

松田颯水(アーツビジョン)

松田颯水 Twitter

松田颯水ブログ「前略、ぼなぺてぃっ!!」

取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト