「片付かない部屋」が激変!!人気インスタグラマーに学ぶ、もの選びの極意

生活

公開日:2016/5/28

 細かいものが出ておらず、さほど広くない部屋でも広々として見え、きれいで居心地のよい居住空間をキープできている。そんな友人の家に遊びに行くたびに憧れ、帰宅するたびに散らかっている自分の部屋を目にして罪悪感を抱えることに……。でも「収納が少ないせいだから仕方ない!」と、結局いつも諦めてきた。いつの日か、広い家に住んだらきっと……と。

 
 けれど、心のどこかでわかっている。どんなに広くて収納が多い家に住んでも、根本的な「ものを増やさない努力」と「増えたものを減らす努力」、そして「きちんと片づける習慣」ができない限り、部屋は片づかない。そんな根本的な意識を、美しいビジュアルと優しい言葉で改革してくれるのが、Instagramで約10万人のフォロワーを持つholonさんによる『「シンプル+スッキリ=ラクチン」のもの選び』だ。

advertisement

 
 冒頭で

「学生のころは片づけが本当に苦手で、家族から『片づけられない女』とまで言われていたほどでした。(中略)ものがありすぎて、自分が管理できる物量をとうに超えていたから」

と語るholonさん。まず “9の決めごと”を提案しており、その中には以下のルールが含まれている。

○自分自身が苦なく管理できる物量だけを持つ
○理由が言える合理的なもの選びを心がける
○“なし”で過ごしてみて本当に必要か吟味する
○買うと決める前に不要になったときの処分方法まで思いを巡らせる
○見栄による消費をやめて心から好きなものを買う

 この決めごとから感じたのは、ダイエットや貯金(節約)をするときに似ているということ。やみくもに「我慢する!」「達成したら●●する」と無理をしても、根本的な意識が変わらない限りは継続せず、リバウンドしたり、衝動買いに走ったりしてしまう。大切なのは今までの意識から変わるために「それは本当に必要か」「なくてもよいのではないか」「手にしたらどうなるか」「どうすれば自分でも継続できるか」を考える癖をつけることだろう。衝動的に手を伸ばす前にワンクッション置いて考える癖をつければ、過剰だった食欲や物欲は失せ、必要な分だけを求めるようになる。シンプルなお部屋づくりも同じことが言えるのだ。

シンプル+スッキリ01

 holonさんがひとつものを増やすときは、「別の用途がいくつも思いつき、合理的と感じることが選択の理由になる」とのこと。さらに「漠然と選ぶのではなく、自分なりの理由を言葉にするようにしたら、ものはあまり増えなくなりました」とも言う。片づけ下手の気持ちもよくわかる彼女ならではの意識改革の極意だ。

 とはいえ、合理的でありながらも「ものを究極まで排除したミニマリスト的な暮らしは わたしには、向いていない気がします」「ただ眺めるだけでうれしくなる そんなものも暮らしには必要だと思っています」と考える彼女の部屋づくりは、シンプルでありながらもインテリアの楽しさ、ワクワク感を忘れてはいない。

シンプル+スッキリ02

 1台で椅子にもサイドテーブルにも物置きにも使えるスツール。必要な場所に移動でき、カウンター下にも納められる半円のテーブル。床や棚のスペースをふさがずに部屋を飾れるモビール。取っ手つきで持ち運べるから回収が楽なゴミ箱。共同で頻繁に使うものを納めた壁ラック。どれも使い勝手のよいものだが、holonさんの選ぶアイテムはシンプルさとキュートさを兼ねていて、選び方&使い方の参考になる。

 また、現在の彼女が“今は持たない”と決めているリストも興味深い。9つの決めごとのひとつのように、「とりあえず“なし”で過ごしてみる」ことで、使用頻度が低かったり、工夫次第でほかのものに代用したりできるものは、どんなに素敵なものだとしても、合理的な理由とともに除外される。部屋だけでなく、思考そのものが「シンプル」で「スッキリ」しているのだ。

シンプル+スッキリ03

 一男一女を育てるワーキングマザーである彼女だからこそ持つ、必要性を最優先する考え方があったうえでの、暮らしにぬくもりを与える雑貨選びのセンスと、スッキリとした部屋づくりの極意。ものが多くて、いつまでも「シンプルな部屋」が実現しない人にとって、学ぶところがたくさん見つかる一冊だ。今週末は早速その極意に従って、まずは収納場所を作るところから始めてみたい!

文=富永明子、写真=林ひろし

■『「シンプル+スッキリ=ラクチン」のもの選び
著:holon
価格:1,296円(税込)
発売日:2016年4月21日(木)
出版社:KADOKAWA