「ニーチェの言葉」で始まった超訳ブーム、次にくるのは「聖書の言葉」
更新日:2017/11/28
「宗教のにおいのしない、今を生きる人にサジェスチョンを与える文章を選びました」
白取さん曰く、聖書のテーマをひと言でまとめるならば、『愛』だという。
「聖書に書かれていることのほとんどは、人間の愚かさと、その愚かな人間に対する、様々な神の愛の表現が綴られているんです。神の別称もまた、『愛』。それも精神的な愛だけじゃなくて、性愛、すなわちセックスも含めてです」
聖書とは、真面目で立派な教えが書かれているもの。そんな固定観念をことごとく打ち破るのが、本書だ。
「この世界の文化の基礎はすべてといっていいほど聖書の中にあります。つまり、聖書を知ることが、世界を知ることになる。聖書を読んだことがないと、自分の身の回りにある、あらゆることの真意に気づかないまま終わってしまいます」
さらに、聖書に書かれていることは、多くの映画や小説、コミックの下敷きにもなっている。
「たとえば、『新世紀エヴァンゲリオン』の「エヴァンゲリオン」とは、もともとはイエスの言行録という意味。『超訳 聖書の言葉』を読めば、文化や芸術を読み解く手助けになるほか、法や倫理、何気なく行っている毎日の生活習慣ですら聖書を起源にしているとわかるでしょう」
人生の羅針盤にもなる、聖書の言葉。行く先が見えない時代を生きる私たちだからこそ、ぜひ心に刻んでおきたい。
(ダ・ヴィンチ8月号 今月のブックマークEXより)