次世代ハリウッドスター候補!? 注目の少年少女共演の『モールス』

映画

更新日:2014/2/8

 先行き不透明なニッポンでは、天才と名高い芦田愛菜嬢を筆頭とする、子役たちの笑顔に癒され中。  
  
一方、ハリウッドでも近年、10代前半の少年少女アクターの活躍が目立っている。  
  
 なかでもトップランナーをひとり挙げるならば、『デスパレートな妻たち3』『(500)日のサマー』『キック・アス』と破竹の勢いの美少女、クロエ・グレース・モレッツだろう。  
  
 いじめっ子の標的となっている、12歳の少年オーウェン(コディ・スミット=マクフィー)。ある晩、彼の団地にアビーという少女(クロエ)が越してくる。謎めいた彼女は、なぜか夜だけ彼の前に現れるのだった。孤独なふたりは徐々に惹かれ合うが、やがて彼は彼女の秘密を知ることに……。  
  
 8月5日より全国公開される『モールス』(TOHOシネマズ六本木ヒルズほか)の原作は「スウェーデンのスティーヴン・キング」の異名をとる、ホラー界の新星の処女小説。あるいは、スウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』のリメイクだと紹介すべきかもしれない。  
  
 惹かれ合ってはいけない者同士の初恋物語を強調する、『ロミオとジュリエット』の登場も今作ならでは。なにより、『ザ・ロード』のコディとクロエという、スウェーデン版に勝るとも劣らない少年少女のキャスティングが成功の基本だろう。  
  
 可憐さと同時に年齢不詳のムードを湛えるクロエ。やや離れ気味の陰りを帯びた瞳が、年齢を聞かれて「12歳と8カ月9日」と即答する、オタクっぽさに説得力を与えるコディ。才能あふれるふたりの、成長を収めた作品としてもスルーできない。  
  
(ダ・ヴィンチ8月号 シネマ ダ・ヴィンチより)