「冷蔵庫の残り物」が立派な料理に大変身! もったいない精神から生まれた50レシピ【作ってみた】

食・料理

公開日:2016/5/29

『サルベージ・パーティから生まれた「使い切る」ための4つのアイデアと50のレシピ』(キムラカズヒロ/誠文堂新光社)

 料理をする人もしない人も、冷蔵庫や食品棚を見れば1つや2つ、持て余している食材があったりしませんか? そういう食材って、いつか使うと思っていても結局はそのまま使わずじまいで、最終的にはサヨナラということもしばしばあると思います。そんな悲しい運命をたどりそうな食材を楽しく美味しく生まれ変わらせる「サルベージ・パーティ」というイベントが今注目されているのをご存じでしょうか? そしてこの度『サルベージ・パーティから生まれた「使い切る」ための4つのアイデアと50のレシピ』(キムラカズヒロ/誠文堂新光社)が発売されました。本書では、食材の形を変える、組み合わせの妙を楽しんでみるといったアイデアを軸に、キッチンの困り者を使い切るための工夫が詰まった50のレシピを紹介しています。そこで今回は、この中から簡単に実践できそうなものから、驚きの組み合わせで作られたものなど、計3品を実際に作ってみました。

1.形を変えて使ってみたらさらに美味しくなった!「高野豆腐の肉なし回鍋肉」


 テフロン加工のフライパンに水で戻し、厚みを3等分にした高野豆腐を入れて、両面に焼き色がつくまでしっかり焼き、塩をふって取り出します。今度はフライパンでキャベツ、ピーマン、赤ピーマン、にんじんを炒めたら、豆板醤、甜麺醤、水を加えてさらに炒めます。最後にもう一度、高野豆腐を戻し入れ、軽く混ぜ合わせれば完成です。

 こちらは、持て余し食材常連の高野豆腐を肉に代わりに使ったレシピの1つです。煮物のイメージが強い高野豆腐ですが、薄く切り、いったん焼いて下味をつけてから、再度他の材料と一緒に炒めることで、良い具合で味が染み込むとともに、シャキシャキっとした食感の野菜の中でふわっとした食感が引き立って、とても美味しくなりました。しかも、肉に負けないくらいのボリュームもあるので、男性でも満足度が高い一品です。こういう活用術があれば、高野豆腐もすぐに消費できそうですね。

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2、香りと塩気がたまらない「ジャスミン茶のパスタ 桜えび風味」


 まず、たっぷりのお湯でパスタを茹でておきます。オリーブ油を熱したフライパンに桜えび、玉ねぎを炒め、そこにパスタの茹で汁を加えたらとろみがつくまで煮詰めます。ここに、茹でたパスタを加えて炒め、オリーブ油を加えてとろりとさせたら、最後にジャスミン茶の葉と塩を加えて混ぜれば完成です。

 こちらは、加工食品を味付けに使ってみたレシピの1つで、今回はジャスミン茶の葉を使いました。紅茶の葉などはスイーツで使われることがよくありますが、ジャスミン茶の葉をパスタの味付けに使うなんて意外過ぎて、完成するまで少し不安でした。でも、食べてみると、口いっぱいに広がるジャスミンの香りと、塩気が想像以上にシンプルな味付けのパスタと良く合い、美味しい! まさか茶葉にこんな使い方があったとは。今まで飲むことでしか消費できなかったものが、料理にも使えるとなると、ぐーんと活用の幅が広がりますね。

3、料理ってこんなに自由なんだ!と思わせる「ゼリーのヨーグルトサラダ」

 ボウルにヨーグルト、オリーズ油を入れ、塩・黒こしょうで味を整えます。ここに、きゅうり、トマトを混ぜ、食べる直前にぶどう味のこんにゃくゼリーを入れて混ぜれば完成です。

 こちらは組み合わせの妙を楽しむレシピの1つなんですが、今回の中で、いや、むしろこのレシピ本の中で、もっとも衝撃的なレシピだったと思います。こんにゃくゼリー自身もまさか自分がサラダの材料として使われるとは思ってもいなかったと思います。それくらい、料理の自由さを感じられる一品です。肝心の味はと言うと、これまた意外なことに、混ざってしまうとこんにゃくゼリーという存在を感じさせないくらい、味もなじみ、違和感なく溶け込んでいて、プルンとした食感が楽しく美味しく感じられるサラダでした。これぞ正しく、サルベージ・パーティを代表するレシピです。

 

先入観なく、好奇心を持って楽しむことがポイント
 今回作った3品からもわかるように、いつもとは違う食材の使い方であっても、作ってみると驚くほど美味しく、意外な発見がたくさんありました。余りがちな食材をうまく活用することで、最後まで消費でき、しかも美味しく楽しめるなんて、それはもう幸せなことですよね。これを実現するためにはやはり、先入観をすて、新たな味を楽もうとする好奇心を持つのがポイントになってきます。ぜひ、これを意識しながら、自分なりのサルベージ・パーティを楽しんでみて下さい!

文=JUNKO