「野菜を味方にして暮らすことは、しあわせに通じています」 91歳の料理家・辰巳芳子に習う“野菜料理”

食・料理

公開日:2016/5/31

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 成人1日1人あたり350gの野菜を摂取することが推奨されているが、中々取れないのが現状。まして、“野菜料理”となるとワンパターンになりがちで、献立に悩む人も多いだろう。そんな悩みを解消してくれるレシピ本『辰巳芳子の野菜に習う』が、2016年5月26日(木)に発売された。

「野菜を味方にして暮らすことは、しあわせに通じています」辰巳芳子

 『いのちのスープ』で著名な料理家・辰巳は今年91歳になる。単なる料理家ではなく、「ひとはなぜ食べなければならないか」という哲学的な命題を追究、随筆家としての評価も高い。そんな著者が、『クロワッサン』で連載した人気企画『いのちの食卓――野菜に習う』が、ついに一冊の本にまとめられた。

 「肉や魚の料理は容易。難しいのは、野菜の扱い。日々、野菜料理を難なく食卓にのせられるかどうかが、家族の健康もしあわせも左右してしまう」と辰巳は言う。紹介されるレシピも多彩だ。春は筍ご飯から始まり、清々しい野草のサラダ、平凡なじゃがいもやニンジンも驚くほど鮮やかに供される。

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 独自の「蒸らし炒め」の手法で炊かれた「煮サラダ」、丸ごとセロリを使った「セロリ・オー・ジュ」、やさしい味わいの「カリフラワーのスフレ」など、もう一度おさらいしたかったレシピ、この本でしか読めないレシピも収録。たっぷりの辰巳節が冴える文章も読みごたえ抜群だ。

■『辰巳芳子の野菜に習う
著:辰巳芳子
価格:2,700円(税込)
発売日:2016年5月26日(木)
出版社:マガジンハウス

辰巳芳子(たつみ・よしこ)
1924年、東京生まれ。料理家、随筆家。聖心女子学院卒業。料理家の母・辰巳浜子に家庭料理の薫陶を受け、45歳で料理家として立つ。フランス料理、イタリア料理、スペイン料理の研鑽を積み、「蒸らし炒め」はじめ独自の手法を確立。父親の介護体験から、生まれてから死ぬ日まで“いのちを支える”ものとして「スープ」に着目。1996年から「スープの会」を主宰、啓蒙を続けている。NPO法人「良い食材を伝える会」会長、NPO法人「大豆100粒運動を支える会」会長。

※掲載内容は変更になる場合があります。