篠山紀信 「ディズニーの仲間を撮るときは“シノラマン”になる」

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公開日:2011/9/5

 震災時のホスピタリティ意識に満ちた対応で注目を浴びた東京ディズニーリゾート。 ゲストを温かく迎えるミッキーマウスやダッフィーたちの「日常」をかの篠山紀信さんが撮りためた写真集『篠山紀信 at東京ディズニーリゾート New MAGIC』(講談社)が話題だ。  
  
 ゲストのいないディズニーリゾート。そこには、開園時と同様にキャラクターたちが集っている。そんな光景を閉園時のわずかな時間を狙って篠山さんが撮影した。このために彼は何度も東京ディズニーリゾートに通い詰めたという。  
  
「いつもの私は、写真家・篠山紀信としてカメラを構える。しかし、ディズニーの仲間を撮るときの私は篠山紀信ではない。彼らの仲間・シノラマン になるのです。仲間になってしまうとあとは楽で、言葉を交わさなくても言いたいことはすべてわかる。紀信伝心です」  
  
 ゲストのいないときの彼らも、いつも通り夢の世界の住人なのだ。ダ・ヴィンチのレギュラー企画「この本にひとめ惚れ」の大賞になった同書に対し、選者のひとり、アートディレクターの秋山具義さんは「篠山さんが撮るとミッキーやミニーだけでなく、すべてのキャラクターが表情豊かなアイドルになってしまう。すごい」と語る。   
  
 実際に一度目を通してもらうと、その真意がわかるだろう。彼らはまぎれもなく生きているのだと。  
  
(ダ・ヴィンチ8月号 この本にひとめ惚れより)