好きなことを貫くと、人脈も入れ替わる! 無意味な我慢をせずに、好きなことだけして生きる方法

暮らし

2016/6/7


『好きなことだけして生きていけ』(千田琢哉/PHP研究所)

好きなことだけして生きていけ』(千田琢哉/PHP研究所)って言われてもそんなこと言えるのは恵まれた環境と才能をあわせもった人だけだよ――なんて思う人も多いんじゃないだろうか。

 だけどたぶん、「好きなことだけして生きる」=「楽をして生きる」「苦労しない」ではなくて、好きなこと、楽しいことを追求していけばどんな苦労も我慢も乗り越えていけるって、そういうことなんじゃないかな~と思う三十路を超えた今日この頃。本書の帯にもあるとおり「君にはいやなことをがまんする時間はない」。そう、人生は一度きり。限りがある。だったら同じ我慢や努力でも実のあることをしたほうがいいに決まってるのだ。

 とはいえ「好きなこと」なんてそうそう見つからないよ、という人もいるだろう。10代ならともかく、いい年して夢なんて追いかけられないし、いまさら人生の軌道も変えられないよ、と。でも別に「好きなこと」=「大それた人生の目標」というわけではない。たとえばどうしても好きなことが見つからない人のために、著者はこんな提案をしている。

あえて大嫌いなことを続けてみる時期も必要

 満員電車に乗り続けるのが何より死ぬほど辛い、ワンマン社長にこれ以上頭を下げ続けていたら心が病む、自分が「絶対無理」と思うことが見えてきたら、たとえば通勤経路を変えるために引っ越すとか、転職するとか、そんな些細な方向転換ができるようになるかもしれない。みんなが我慢しているから自分も、なんて考え続けるのがいちばん愚かで、自分が何に対して辛さを覚えて、何に対して幸せを得られるのかを、小さくても見つけていくことができればやがてもう一歩先の「好きなこと」にたどりつくかもしれないのだ。

 あるいは「他人から与えられた目標に、勝手に上乗せしたくなることが好きなこと」だとも。「人は、好きなことを仕事にするために生まれてきた」と著者はいうが、それはなにも起業して独立するとか、なにやらかっこいい肩書の職業につくとか、そういうことだけじゃない。たとえ上司にどやされる毎日でも、最初は不本意だった配属先だったとしても、その中で「こうしてみよう」と思えることがあればそれは「好きなことだけして生きる」ための第一歩。

 そしてそのためには、動かなくちゃいけない。「言い訳は行動力を鈍らせるだけのものだ」し、自分の「好きなことを貫くと、人脈も入れ替わる」。自分の行動原理を少しずつでも変えていけば、きっと誰でも「好きなこと」に満ちた人生を送ることができる。

 本書は、決して、のんべんたらりとした人生を送るための放蕩者へのススメではない。自分の時間を価値あるものにするための方向性をさししめしてくれるガイドブックなのだ。

文=立花もも