「はいからさんが通る復活!? うっ嬉しい~」連載40周年『はいからさんが通る』劇場アニメーション化決定にファン歓喜

マンガ

公開日:2016/6/7


 大和和紀作の大正ロマンコメディ『はいからさんが通る』の連載40周年を記念して、2017年に劇場版アニメーションが公開となることが発表された。38年ぶりにアニメとして復活するとあって「はいからさんが通る復活!? うっ嬉しい~」「小さい時に劇場で見てた! 大好き!」「はいからさんが通るですって! キターー!!」と多くのファンが歓喜に沸いている。

 『はいからさんが通る』は1975年から1977年までに『週刊少女フレンド』で連載。第1回講談社漫画賞少女漫画部門を受賞し、アニメ化、実写映画化、そして3度の実写ドラマ化を果たした日本少女漫画史に残る名作だ。作者の大和和紀は『あさきゆめみし』などで知られ、画業50周年を記念して「大和和紀画業50周年フェア」も開催されている。

 舞台は大正時代。17歳の花村紅緒は、西洋風のファッションなどを取り入れた当時はやりの“はいからさん”。しかも酒乱で喧嘩好き、さらには竹刀を握れば敵なしのじゃじゃ馬娘。そんな彼女に、華族伊集院家の一人息子・伊集院忍少尉との縁談が舞い込む。嫁入り修行として伊集院家に住み込むことになるのだが、親が決めた縁談が気にくわない紅緒は向こうから縁談を断りたくなるようなふるまいを演じ、伊集院家は大騒ぎ。徐々に心を交わしていった紅緒と忍はお互いをかけがえのない存在と感じるようになるのだが、紅緒が起こした騒動のせいで忍は戦場に送られてしまうこととなる――。

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 物語の舞台は徐々に第一次大戦真っ只中の激動の時代へ。コメディ要素だけではなく、愛と感動を描いた大正ロマンの傑作だ。しかし、時代背景を無視して「ガッチャマン」や「ゴジラ」が出てきたり、まず主人公の紅緒が17歳なのにうわばみの酒乱で何かと大騒ぎをするような場面も多数。「マンガのコマから出ようとするとかとんでもなさすぎ!!」「大和さんてギャグ描くときは本気でありえないギャグ描くからいつも別の作品とのギャップに驚く」「笑えるし、キュンキュンするし、切ないし、感動するしすごい漫画!!」とファンはすっかり作品内の緩急のとりこに。

 40年も前に書かれた作品ながら、活発で行動力があり、したたかな少女が主人公。さらには、紅緒にいつも振り回される歌舞伎の女形・藤枝蘭丸が登場するなど現在の少女漫画に通じる部分も多い。中には「正統派元祖大和撫子な可愛くて麗しくて強い男の娘蘭丸きゅんを今こそ!」「これまでの実写化で空気だった蘭丸に活躍の場を!!」「はいからさんの蘭丸は男の娘の元祖だと思ってる」と今をときめく“男の娘”蘭丸の活躍に期待を寄せているファンも。

 同作は、1979年に花鳥いつき、1985年に三田寛子により実写ドラマ化、その後も1987年に南野陽子主演で実写映画化、さらに2002年に石川梨華を主演として実写ドラマ化が果たされている。アニメは1978年6月から1979年3月に放送されていたのだが、原作の結末と異なる終わり方になってしまったことから、ファンの間で物議を醸していた。このことを覚えている当時のファンたちは「劇場版アニメでは紅緒さんと少佐の二人の笑顔が見たい…」「今度こそ紅緒をきちんと幸せにしてやってくれ!!」と、劇場版では原作通りの幸せな結末を熱望中。

 中には「原作コミックは放送禁止用語盛りだくさんなのに大丈夫か?」「テレビアニメじゃなく劇場版なのは、紅緒ちゃんがお転婆すぎるからかな?」「いろいろぶっこむために劇場版にしたんですね。正解!」とテレビではなく劇場版でのアニメ化理由を推測する人も。

 映画公開は2017年と少し先だが、「大和和紀画業50周年フェア」に出かけてみたり、原作を読んでみたりしながら、ハイカラでじゃじゃ馬な紅緒に会える日を心待ちにしていよう。

■『はいからさんが通る』1巻
著:大和和紀
価格:702円(税込)
発売日:1995年6月2日
出版社:講談社