「容赦なさ過ぎてスッキリする!」復讐を請け負う男たちを描いた『善悪の屑』の過去を描いた『外道の歌』に絶賛の嵐

マンガ

公開日:2016/6/13

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 事件の被害者から依頼を受け、復讐の代行をする主人公とその相棒を描く漫画『善悪の屑』。そのダークな雰囲気と劇画風の絵柄もさることながら、凄惨さを感じるほどの内容の過激さ、そして加害者に対して、被害者の苦痛を味わわせる復讐方法がぶっ飛んでいると話題になり、「殺すよりも怖い復讐… えげつない!!」「すげえ… 描写がめちゃくちゃ過激」と大きな反響が上がっている。

 『善悪の屑』は、渡邊ダイスケが『ヤングキング』にて2014年10号から2016年7号まで連載した復讐をテーマにしたマンガ。「カモメ古書店」を営む主人公・鴨ノ目は、復讐の依頼が来ると、依頼人の恨みを晴らすべく相棒のトラとともに、ターゲットを事件の被害者が受けたものと同程度の苦しみを与える方法で復讐する。果たして被害者達の心に安らぎは訪れるのか――。「正義」とは何か、「善悪」とは何かといった疑問をこれでもかと読者に突き付けてくる作品だ。

 ただ、過激なだけの作品ではなく、被害者たちの受けてきたあまりにひどい仕打ちがあるがゆえに、そのえげつないほどの復讐が読者に異常なほどの爽快感を与えている。依頼者は、家に押し入ってきた男から暴行を受け、さらに息子を殺された女性や、中学校で壮絶ないじめを受け、遺書を書き残して自らの命を絶った少年の祖母が来るなど、どうやっても癒すことのできない心の傷を負ってしまった人達。そのため、凄惨な復讐でようやく依頼者とともに読者の心も救われるのだ。

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 読んだ人からは「面白かった! どうしようもないクズを拷問・処刑するとか胸スカが半端ない!」「感情が持ってかれるほどに心が奪われてしまった、最高!」「容赦なさ過ぎてスッキリする」といった声が。また「主人公のカモが名言多くてカッコ良い」「鴨ノ目の見た目が渋すぎて惚れる!」と冷徹に復讐を執行する主人公のキャラクターに惚れ込む人も続出している。

 同作のコミックの売れ行きも凄まじく、「善悪の屑、売り切れで手に入らないんだけど!!」「増刷はよ!」といった声が上がるほか、電子版においても電子書籍ストア「コミックシーモア」の総合ランキングや、「music.jp」の週間マンガランキングで1位を獲得、さらに「Amazonランキング大賞 2016上半期」に入賞するなど、尋常でない人気を誇っている。

 そんな同作が最終話を迎えた2016年3月発売の『ヤングキング』7号を読んだ読者からは、「終わっちゃったんだ…(泣)」「毎号楽しみに読んでたのに! 辛すぎる」「あの胸スカ感はもう味わえないの!?」と悲しみの叫びが上がった。しかし、単行本5巻の最後に第2部についての告知がされると、そこには鴨ノ目が復讐人となるに至った過去がほのめかされており、「カモの過去が語られるの!?」「うおっムネアツ! これは興味深いぞぉ!」「カモ自身の復讐もあるのかな!?」と新たな展開の気配にファンの間で期待が高まった。

 そして、同月に発売された、『ヤングキング』8号より、第2部となる『外道の歌』の連載がスタート。内容は『善悪の屑』の4年前が描かれており、鴨ノ目が妻と娘の3人で幸せに暮らしていたころから物語が始まる。ある日、鴨ノ目は罪のない家族を殺人事件によって失う。鴨ノ目は刑事をしている叔父から容疑者の目星がついていることを知る。そこで鴨ノ目はある場所へと向かっていくのだが――。

 かつては一般家庭の優しいパパだった鴨ノ目が絶望の淵に立たされ、復讐の道へと足を踏み入れていく様子が描かれた同作は「ダークでバイオレンスな雰囲気は善悪の屑そのもの… しかしさらに精神をえぐってくる!!」「読み応えスゴイな」「復讐に走る気持ちが痛いほどわかる!!」と強い共感を読んでいる。

 さらに『外道の歌』単行本発売も予定されているようで、作者の渡邊はTwitterでフォロワーに対して「外道の歌の1巻でもトラが活躍しますので楽しみにしていて下さい!!」とツイート。これには「単行本出るんだ! 楽しみ!!」「絶対買うぞー、売り切れる前に買うぞー!」「トラも活躍とか楽しみすぎるぅ!」「待ちきれんよ!」と興奮に鼻息を荒くしているようだ。

 過激な描写ながら、「正義」や「因果」など深いテーマに切り込んでいる『善悪の屑』と『外道の歌』。胸スカ間違いなしの『善悪の屑』を読みつつ、『外道の歌』の単行本を待ちわびようではないか!

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■『善悪の屑』5巻
著:渡邊ダイスケ
価格:500円(+税)
発売日:2016年4月25日(月)
出版社:少年画報社