なでしこ・宮間あや 『ほまれ』を読んで改めて澤の偉大さ感じる

スポーツ

更新日:2013/5/9

 もし、十数年後、2011年に起きた出来事として大震災以外に記憶にとどめていることがあったとしたなら、それはなでしこジャパンのW杯優勝だろう。

 司令塔を務め、決勝のアメリカ戦で1ゴール1アシストを記録した宮間あやは振り返る。

 「被災地の方々に自分たちができることがあるとしたならば、それは戦う姿を見せることだけだという話は、チームメイトといつもしていました」
 決勝戦のとき、宮間の人間性を象徴するこんなシーンがあった。PK戦を制した瞬間、チームメイトがゴール前に駆け出す中で、宮間ひとりだけはアメリカチームの方へ歩き始めた。そして、アメリカの選手と抱き合い、健闘を讃え合ったのだ。

 そんな心優しき宮間にとって、読書とは「現実逃避」だと話す。
「読む量は、月に2、3冊です。移動時間が長いときなどに読みます。なでしこのメンバーは、けっこう本好きが多くて、澤(穂希)選手もたくさん読んでいますよ。私にとって本は、いちばん身近な異世界ですね。本の世界に入り込むことで、ショートトリップしたような感覚になれる。ジャンルはもっぱら推理小説です。石田衣良さんや、東野圭吾さんが好きです。東野圭吾さんの本は、ほとんど読んでいますね」

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 そして澤穂希の『ほまれ』(河出書房新社)については、「本人にこういう本が出ているということを聞き、買いに行きました。改めて澤選手のたくましさや偉大さを感じましたね。澤選手は私にとって、世界一のサッカー選手。常に同じピッチに立っていたいと思わせてくれる選手です」と語った。
 宮間にとって2012年は、今年同様、勝負の年となる。「ロンドン五輪の金メダルが目標です。もちろん、そのときは自分もピッチに立っていたいですね」

(ダ・ヴィンチ1月号 「BOOK OF THE YEAR」より)