「女子はアボカドが好き」を真に受けるな!官能&恋愛マスターが「脱・非モテ」基本のキを手取り足取り指南

恋愛・結婚

公開日:2016/6/19


『女子会で教わる 人生を変える恋愛講座』(大泉りか/大和書房)

 世の中にモテ本は、あまたある。自分を見つめなおすもの、テクニック重視のもの。ネットの世界では、ナンパ師による“女性を落とすテク”も横行している。しかし「これで、ほんとにモテましたー!」という話は残念ながら耳にしたことがない。

「そういった類の本には、たとえば『女子はアボカドが好き』といい切っているものもありますど、それって女性を馬鹿にしていません? 女性にだっていろんなタイプがいるのに」

 官能小説や女性向けの恋愛コラム作家として活躍する大泉りかさんはそう語る。新刊『女子会で教わる 人生を変える恋愛講座』(大和書房)は、一度はモテたいと願う男性の背中を押す1冊。とはいえ、モテとひと口にいっても、イメージする状態は人によって異なるだろう。「毎日のように女の子からひっきりなしにお誘いのLINEが来る」「いつでも複数の女の子に囲まれている」……これはハードルが高い!

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「顔が悪くてもセンスがなくてもモテることはできますが、いきなりそんなハーレム状態になるのはさすがに無理ですよね。こうしたモテモテウハウハ願望も、彼女がほしいという希望も、女のコともっとお話ししたいというささやかな願いもぜんぶまとめて『モテ』といわれていますが、目指すところによってアプローチは変わります。だから本書では、『あなたが好感を持った女のコとデートをして、好きになってもらう』というとても初歩的な段階を目標とし、それを実現するためにはどうすればいいのかというアドバイスを詰め込みました」

6タイプの女子が本音で恋愛トーク

 しかし、「女のコ」といってもいろいろ。誰にでもモテる万能策など、はっきりいってあるわけがない。

「ところが、これまでの人生で一度も“モテ”の世界に足を踏み入れたことがない男性って、そこをわかっていない人が多い。女のコはみんな一緒。ピンクが好きで、お花が好き。だから、『アボカドが好き』といわれて真に受けちゃう(笑)。男性だってホストっぽい子とオタクっぽい子とでは、ぜんぜん好みも行動も違うのに、女のコのことはそう見ないって不思議です」

 そこで、本書では6人の女のコが登場する。素敵ちゃん、キャリアさん、ギャルちゃん、婚活ちゃん、文系ちゃん、アキバちゃん。彼女たちが「こんなふうに出会いたい」「こうして誘ってほしい」「こんなことする人はNG」とモテ談議に花を咲かせる様子は、まるで擬似女子会。ときに辛口ではあるが、それだけ本音ということだろう。モテたいのならナンパ師の声より、女子のナマの声を聴け! そんな基本的なことに気づかされる。

 それにしても本書で指南されるのは、「清潔感の出し方がわからないんです」「女のコと話すとき、どこを見て話すのがベスト?」「デートのテンションのあげ方がよくわからないんですが」といった、ごくごく基本的なことへのアンサーばかり。筆者は「え、そこから!?」と驚いてしまったが……。

「出会いの場やデート中も、『これでいいのかな?』『俺、ほんとに大丈夫かな?』と不安になる男性は、女性から採点されているのではないかという発想がその根底にあって、いつも身構えています。だから、正解がほしいんです。たしかに、採点をする女性もいます。だいたいが減点主義で相手の男性の本質を見ていない。そういう女性は相手にしなくていいじゃん! といいたいところですが、そうでなくても女性のほうが恋愛慣れしているから、どうしてもチェックポイントが多いんですよ。恋愛慣れといっても恋多き女という意味ではないですよ。早くから少女漫画や恋愛ドラマを見て、出会いやデートのイメージングができているんです。かたや男性は『ワンピース』ですからね、差がつくのは当然です。だからといって女性に合わせて背伸びする必要はありませんが、せめて基本はおさえてほしい」

おしゃれなカフェが苦手な男子はどうする?

 モテたい、でもどうしていいかわからない。悩める男性に知恵と武器を与えてくれる大泉さん。では逆に、モテるために捨てたほうがいいものはあるのだろうか?

「それはもう、コンプレックスとへんなプライドです。女性にもいろんなタイプがいると話しましたが、NGポイントはわりと共通していて、これに惹かれるという人はいませんね。劣等感は誰にでもあるものですけど、それを自虐されても女性は引いちゃう。お互いの関係が深まるとコンプレックスを受け入れ合えることもあるでしょうが、困ったことに出会い~恋愛初期にかけてこそ、このコンプレックスが発動しやすいんですよね。たとえば女のコが歩き疲れたからカフェで休みたいといっても、自分が行き慣れてないカフェでどう振る舞っていいかわからないから、『俺、カフェはいいや』って返したり。だったら代替案を出してほしいんですよ。カフェに行きたかった女子がいきなり牛丼に行くことはあまりないでしょうけど、それでもお互い案を出していけばどこかに着地点はありますし、それ自体をコミュニケーションとして楽しめばいいんです」

 モテとは、生まれながらの才能ではない。けれど、自然体でいるだけでモテてしまう男性がいることも、また事実。モテ男性が何の気ナシにやっていることで、いますぐ、そして簡単に取り入れられることを、大泉さんが教えてくれた。

モテなくてもいいや、という男性へ

「笑いましょう! よくも悪くも『愛想よくしなさい』と幼いころからいわれ続けてきた女性と比べると、男性は圧倒的に笑顔が少ないんです。試しに、モテている男性を観察してください。自然に笑顔を浮かべていることに気づくはずです。モテ本の定番テーマに『女性を楽しませる会話』がありますが、何も芸人さんじゃないんだから女性を笑わせようとしなくていいんです。それよりも、笑っていてほしい。そっちのほうがずっと簡単ですよね? 男性だって、仏頂面の女性と話すより、笑顔が絶えない女性と会話するほうが楽しいでしょ。それだけで安心するし、また会いたいと思ってもらえる確率は上がります」

 別にモテなくてもいい、モテると思うこと自体が恥ずかしい……そんなふうに感じる男性もいるに違いない。が、大泉さんは「人生にパワーを与えてくれるのが恋愛」といい、そんな消極的な男性こそを応援する。その胸をドーンッ!と借りる気持ちで、本書を手にとってはいかがだろうか。

文=三浦ゆえ