アラサー過ぎて結婚できないのには理由がある!? 婚活や恋愛ベタな女子のための大人の青春小説

恋愛・結婚

2016/6/21


『ぬるま湯女子会、38度(ときどきちょっと熱い)』(南綾子/双葉社)

 友人たちには、自分よりも少し不幸でいてほしい。頼むから、先に結婚なんてしないで。結婚できないというだけで、周りからとんでもない欠陥人間のように扱われ始めれば、女子会に参加しても、焦りばかりが募る。少しでも遅れをとったならば、一発逆転を目指したい。相手に全くあてもないが、誰か、自分を幸せにして!できるなら、イケメンで、高給取りで、性格にも問題のない、ハイスペックな男希望! 婚活に苦戦すれば苦戦するほど、女子たちの欲は尽きることがない。

 南綾子氏著『ぬるま湯女子会、38度(ときどきちょっと熱い)』(双葉社)は、婚活や恋愛がうまくいかないすべての女性に読んでほしい大人の青春小説。『婚活1000本ノック』の著者として知られている南氏によるこの作品は、結婚に焦る女たちの実態をあまりにもリアルに描き出している。周りが結婚し、どんどん置いてかれていく焦り、不安、嫉妬…。恋愛や結婚に悩む女子ならば、彼女たちの姿に共感するに違いない。

 主人公は、婚活パーティで出会った4人の女子たち。恋に臆病すぎて、自分を裏切らなそうなダメ男ばかりを選んでしまうメーコ。性に奔放で、気になった男とすぐに寝てしまうカワイ。アラサー処女で恋愛経験がまったくないぽっちゃり系のサモさん。バリキャリで隙を見せない成田屋。彼女たちは婚活市場で戦う「戦友」として意気投合。よく4人で集まっては、既読スルーされたLINEや思わせぶりな言動を品評し合いながら、互いの恋愛を分析し合っている。一体どうすれば、結婚できるのか。彼女たちは、幸せになることができるのだろうか。

わたしの長年の研究結果によると、女子同士の上辺のやりとりが苦手な女は、大抵、嫁にいき遅れてる

優しければ、お金持ちじゃなくてもいい、って思ってたけど、ダメ。ケチはダメ。食事代をケチる人って、結局すべてにおいてケチなの。優しさもケチるの

 バラエティ豊かな、結婚できない彼女たちの姿を見ていると、自然と、そこに自分や友人たちを重ね合わせてしまう。女子会の場面は、秀逸。読んでいると一緒に女子会に参加しているような気になって、気づいたら、頷いたり、首をかしげたりしている自分に気づく。彼女たちには、それぞれ、恋愛がうまくいかない決定的な欠点がある。自分のことは見えなくても、他人のことはよく見える。もしかしたら、婚活がうまくいかないのは、出会いがないだとか、運だけのせいだけではないのかもしれない。そんなことを痛感させられてしまう。

 男は星の数ほどいるが、星にはなかなか手が届かない。セックス目当ての男や手のつけられないほどのメンヘラ男。かかわらなければよかったと思わされるクズとの出会いもある。

 では、どうすれば、私たちは、幸せになることができるのだろうか。もしかしたら、ただ、切に「幸せになりたい」「幸せにしてほしい」と願っているだけでは、人は幸せになれないのかもしれない。結局のところ、自分のことを幸せにするのは、自分自身。全力で自分で自分を幸せにすること、誰かを本当に幸せにしたいと思うこと、それが幸せになるための方法なのかもしれない。

婚活するたびに、自分のどこかが削られていくようだよ。自分が物みたいに値踏みされてさ。仲間と慰め合うことぐらい許してほしいよ

 登場人物たちの奮闘をみているうちに、少し前向きな気持ちになれる。悩み抜いた先に、きっと明るい未来は待っているはずだ。恋愛や婚活に思い悩む心をふと軽くしてくれる1冊。

文=アサトーミナミ