『モテキ』に共感するあなたは、「がんばる非モテ」「がんばらない非モテ」?

マンガ・アニメ

2011/9/5

 ドラマ化に続き映画化で話題になっているマンガ『モテキ』(久保ミツロウ/講談社)。
  
この作品では、モテた経験のなかった主人公が人生初の「モテ期」を迎えるが、恋愛経験の少なさがたたってか、あと一歩のところで玉砕を繰り返していくさまが描かれている。しかし、この主人公の「非モテ」男の生き様が、多くの男性の共感を呼んでいるのだ。  
  
 そもそも、「非モテマンガがいつごろ出てきたか?」は定かではない。しかし、バブル期以降「モテル奴/モテない奴」「勝ち組/負け組」という線引きが明確になったことは確かだろう。そして、非モテマンガは、「がんばる非モテ」か「がんばらない非モテ」かにも大別できる。  
  
 バブル期前後の「がんばる非モテ」といえば新井英樹『宮本から君へ』が代表的な存在だ。連載が開始したのはバブル崩壊の始まった1990年。主人公のサラリーマンが失敗、挫折、空回りを繰り返し、「暑苦しくてうっとうしい」と激しく嫌われる作品だ。  
  
90年代後半になって増えてきたのが「がんばらない非モテ」だ。モテない生活を所与のものとして生きざるを得ない男たちを、淡々と描いた主にギャグ系の作品群である。例えば、石原まこちん『THE3名様』、近年では青野春秋『俺はまだ本気出してないだけ』などもその系統といえる。  
  
 「がんばる非モテ」は恋人ができたり社会的に成功することもあり、勇気づけられる。「がんばらない非モテ」にはじんわりしたおかしさといくばくかの悲哀がある。この世にモテない男がいる限り、非モテマンガの歴史も続いてくいくことだろう。  
  
(ダ・ヴィンチ9月号 コミックダ・ヴィンチ)