イスに座る姿勢に気をつけるだけ! DaiGo流人生を思い通りにコントロールする「集中力」トレーニング術とは?

ビジネス

公開日:2016/6/29


『自分を操る超集中力』(メンタリストDaiGo /かんき出版)

 資格試験の勉強をしなくちゃいけないのに、家に帰るとやる気が起きない。オフィスだと、どうも集中力が続かない――気温の上昇とともに、集中力が急降下している人にこそ読んでもらいたいのが、メンタリストDaiGo氏の『自分を操る超集中力』(かんき出版)だ。

 集中力は持って生まれた才能ではなく、的を絞って集中する術を身につけることでコントロールすることができる。しかも「集中力は、トレーニングによってさらに強化することができます」と断言する著者。その秘密は、脳の仕組みに関係している。

 例えばゴルフの場合、アマチュアはスイングの動きや立ち位置に集中するが、プロゴルファーはコースを攻めることに集中する。これは 脳の前頭葉を使って人間は集中力を発揮するが、これが繰り返し行われて習慣化されると、同じ作業を今度は小脳で行うようになる。つまり1つのことにフォーカスして集中力を身につけると、しだいに自動的にできるようになり、余った集中力でさらに新しい1つを身につけることができるようになるというのだ。先ほどのゴルフに見られるプロとアマの違いも、ここにある。

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 こうした集中力を発揮するために必要なのが、前頭葉のトレーニングである。例えばイスに座る姿勢に気をつけるだけでいい。普段何気なくしている無意識の行動にハッと気づき、それを改めることで、前頭葉を鍛えることができる。ちなみに著者は姿勢が悪くなると振動で伝えるウェアラブルデバイスを使って、常に姿勢をキープしているという。

 また、集中力を使う作業を習慣化するのもいい。あのスティーブ・ジョブズが、公の場ではいつも同じ服装だったことを思い出してほしい。ワードローブを徹底的に絞り込むことで、洋服を選ぶ機会を減らし、集中力を高めることができる。ここから著者も、洋服は集中力を高める「青」で色を絞り込んだ。選択に頭を悩ませる機会を減らす積み重ねこそが、集中力を維持するために欠かせないのであろう。

 だが「身につけた集中力は、人生すら思い通りにコントロールできる一生の武器になります」という自信に満ちあふれた一文の裏には、暗い影のある生い立ちがあった。昔はいじめられっこで、成績もほぼビリ状態だった著者。子供の頃は、学習障害を疑われるほど集中力がなかったという。そこから「勉強をして、自分を変えよう」と決意し、心理学や脳科学の専門書を頼りに、集中力をつく り出す方法を独自に研究していく。そのおかげで、予備校に通うことなく独学で慶應義塾大学理工学部に合格でき、現在は毎日20冊の読書をしながら講演活動も行い、さらにジムに通いながら、まとまった休暇で海外旅行をするスタイルを実現させた。こうしたすべてを可能にしたのが、集中力であるというのだから驚く。

 このほかにも鏡を使った独自の環境づくりや、集中力をキープするための食事内容、さらには集中力を自動でつくり出すための時間術まで徹底解剖。うだるような暑さが続き、集中力が切れかかっている人には特に役立つ一冊だ。

文=富田チヤコ