長谷川博己 「弱音を吐いていると鈴木先生に怒られる」

芸能

2011/12/14

 もし、十数年後、2011年に起きた出来事として大震災以外に記憶にとどめていることがあったとしたなら、それはなでしこジャパンのW杯優勝だろう。

  NHKドラマ『セカンドバージン』で一躍脚光を浴び、続いて初主演を飾った『鈴木先生』では日本民間放送連盟賞最優秀賞を受賞。舞台畑出身の実力派俳優・長谷川博己さんは今まさに時代の寵児。

 「読書は大好きで、よく読むのは生命観や人生観が描かれている作品。その意味でもこの『鈴木先生』(双葉社)は、マンガとはいえリアルすぎるぐらいの人生観にあふれているといえます。
 読み始めたのはドラマの出演が決まってからでした。とにかく内容がとっても濃厚で。これほど読みながら疲れたのは『カラマーゾフの兄弟』以来といっても過言ではないくらいでしたね(笑)」

 中学校が舞台になっていますが、そこで描かれている事件と、子どもや大人たちの心情は社会の縮図そのもので、学ばされることだらけでした。しかも、いろんな哲学書などを参考に書かれている部分も多く、その文献すら読みたくさせてくれる作品でしたね。
 
 今年は舞台から離れ、映像の仕事が中心でしたが、なかでも『鈴木先生』のドラマは思い出深い作品となりました。原作もそうですが、ほとんどが状況を組み立てるセリフで、内容も演劇的だったんです。だからこそ、自分が今まで舞台で培ってきた経験が生かされたような気がして。その一方で、瞬発力のいる映像の仕事にあらためて難しさも感じました。

……まぁでも、原作のエピソードにもあるように、両方できてこその俳優ですからね。弱音を吐いてると、“甘ったるいこと言ってんじゃない!”と、僕自身も鈴木先生に怒られますね(笑)」

(ダ・ヴィンチ1月号「エンタメ界・新進気鋭の俳優が選ぶこの1冊・長谷川博己」より)