旅の楽しさは準備段階で決まる! 本当に心から楽しむための旅じたくとは?

暮らし

公開日:2016/7/2


『大人の旅じたく』(柳沢小実/マイナビ出版)

 ふと旅に出たいと思ったとき、きちんと旅を楽しむための計画や持ち物の準備ができるだろうか? 旅でリフレッシュできるか、ただ疲れて帰ってくるかは、どんな計画を立て、どのように準備するかによって決まる。だから、すべて他人任せにした旅では自分の旅とは言えない。そこで、旅を楽しむためのヒントを満載した本『大人の旅じたく』(柳沢小実/マイナビ出版)を紹介する。

旅のすべては自己責任

 旅を心から楽しむためには、旅におけるすべての責任を自分自身で持つ必要がある。自分で責任を持つから自分のペースで回ることができるし、自己責任だからこそ自分の好きなことを思う存分できる。自分で計画を立てれば自分がやりやすいように段取りを組むことができるし、その場の思い付きで適当に内容を変えてしまっても文句が言えない。

「自分で責任を持つ」というときつい縛りのように感じられるかもしれないが、他人の価値観にとらわれず、自分の思い通りに事を進めることにも通じる。自分が心から楽しめる旅にするためには、まず自分の旅の責任くらいは自分で持つようにすることが大事なのだ。

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旅のテーマを決める

 ふらっと出かけるひとり旅もテーマを決めると特別のものになる。何かを見つけるための旅や何かを経験するための旅という具合でかまわない。テーマに沿って計画を立てると、どこを回ればいいかが自然とはっきりしてくる。テーマに合わせて旅先の歴史や文化、言葉などを勉強しておけば視野が広がり、旅先での物の見え方が違ってくるだろう。あれこれ調べながら地図や旅ノートを手作りすればきっと最高のガイドブックになるはずだ。

1人でも2人でもムリをしないのが楽しむ秘訣

 1人でふらっと出かけるときでも、誰かと一緒に旅をするときでも、旅を楽しむためにはムリをしないことが一番だ。特に友人や家族と旅に出るというと、ムリして人と合わせようとしてしまいがちだが、それぞれが大事な時間とお金を使って旅をするのだから、心から楽しもうと思ったらムリは禁物だ。

 もちろん、誰かと一緒に旅をする以上は、何かしら一緒に体験したいことや見たいものがあるだろう。でも、だからと言って四六時中一緒にいる必要はない。お互いがムリをせず旅を楽しめる距離感を保つことも必要なことなのだ。例えば、泊まる部屋を別々のシングルルームにしたり、単独行動できる時間を少し作ったりするだけでも旅が楽しくなる。自分1人で楽しむ時間を作ると、メリハリができ、みんなで過ごす時間も新鮮で楽しいものに感じられるはずだ。

必要なものを忘れずに持っていけると旅が楽しくなる

 旅先でテンションが下がるのは、何かをしようとした瞬間、手元に必要なアイテムがないときかもしれない。旅先で「あれを持ってきておけばよかった」と後悔した経験は誰にでもあるだろう。最近はどこに行くときでも「コンビニがあるから大丈夫」と軽い気持ちで出かけていく人が多いようだが、都会のど真ん中のようにいつでもどこでもコンビニが近くにあるとは限らない。特に海外の場合、日本人の常識が通じないことも少なくないのだ。

バッグや服装の選び方、持っていくと便利なものなど、著者のアドバイスを見ると、さすが旅慣れた人だなと感心させられた。最小限の荷物の中に、あると便利なものも入れていけると、つまらないところでイライラすることがなくなり、旅を心から楽しめるようだ。

旅の思い出を整理するのも楽しい時間

 楽しい旅ができれば、帰ってきてからの思い出の整理も楽しいものになる。旅先で撮った写真の整理はもちろん、食べた料理の感想を書いたり使ったお金をざっと書き出したりするのもよい思い出の整理になる。立ち寄ったお店のショップカードは名刺用のファイルで管理するのが著者のオススメだ。気に入った場所には何度も足を運びたくなるものだから、旅の思い出をきちんと整理できると次の旅の計画を立てるときにも役に立つ。

「ふらっとひとり旅」というと無計画な旅のような印象だったが、実はきちんと旅じたくをして出かけていることがわかった。今度の長期休暇は、この本を参考に旅に出てみようか。達人のアドバイスがあれば、準備から楽しめそうだ。

文=大石みずき