『不機嫌なモノノケ庵』いよいよアニメ放送開始!! 不機嫌な主と奉公人の新たなるハートフル妖怪譚!

マンガ

公開日:2016/7/1


『不機嫌なモノノケ庵』(ワザワキリ/スクウェア・エニックス)

 Webコミックマガジン「ガンガンONLINE」で連載中の『不機嫌なモノノケ庵』(ワザワキリ)のアニメ放送が7月より開始される。

 アニメ化にあたり、ネット上では「最高!」「動く毛玉が観られる!」などなど、喜びの声があがっている、今大注目のコミックだ。

 

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 本作は高校生の芦屋花繪(あしやはなえ)が、道端で出会った妖怪に取り憑かれ、藁にもすがる思いで「妖怪祓いSTAFF募集中」の求人広告に電話を掛けたことから始まる。

 妖怪祓いを行う「物怪庵」にいたのは、いつも不機嫌そうな主、安倍晴齋(あべのはるいつき)。いろいろあり、花繪の妖怪を払えたのだが、お祓い代として借金を背負うことになってしまい、花繪は「物怪庵」でアルバイトをすることに。

 

 そこで出会う妖怪たちのさまざまな悩み、要望を叶え、「現世」(うつしよ)から、本来妖怪たちの住むべき「隠世」(かくりよ)へと戻すことが、晴齋の仕事であった。それをバイトとして手助けする花繪だったが、さまざまな困難が待ち受けていて……。

 というのが、あらすじである。

 本書の注目ポイントは何といっても、キュートで癒される個性豊かな妖怪たちではないだろうか。「妖怪」というと、恐ろしいのだったり、祟りをもたらしたりするイメージがあるが、本作は違う。妖怪たちが実に愛らしく、人間以上に人間くさい悩みや願いを抱えているのだ。

 もちろん、不機嫌な主の晴齋や主人公の花繪も魅力的だ。人間でありながら、どうして晴齋が物怪庵の主になったのか、その過去や、なにやら特殊な力を秘めている(?)花繪のことも気になる。

 だが、本書をより一層「面白い!」「続きが読みたい!」と思わせてくれるのは、「毛玉」ことモジャモジャを始め、地蔵のような妖怪のミツチグラ、ウナギに似ているマンジロウ、妖狐のヤヒコなどなど、「グッズ化したら絶対買う!」と思えるような、キャラクターたちの存在が大きいのではないだろうか。個人的にはカカシ似の妖怪、「ノボウ」が一番好きだ。ノボウが抱えた罪悪感と、その発端となった友人とのお話は、涙なしでは読めなかった。

 そんな愛らしい妖怪たちの動く姿が見られるなんて、今からアニメ放送が待ち遠し過ぎる!

  

 ちなみに、主要人物のキャストも既に発表されている。主人公の花繪は『進撃の巨人』『アオハライド』などで主役をつとめ、絶大な人気を誇る梶裕貴さん。物怪庵の主、晴齋は『図書館戦争』『好きっていいなよ。』でおなじみの実力派声優、前野智昭さん。

 最新刊6巻も6月22日に発売される。今年はハートフルな妖怪譚で暑い夏を感じよう!

文=雨野裾