三日坊主な人も、がんばらずに続けられる! ダイエットや勉強がはかどる「習慣化」の方法とは?

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公開日:2016/7/6


『マンガでわかる「続ける」習慣』(古川武士:著、みつく:作画/日本実業出版社)

 ダイエットに片付け、勉強や資格取得。年初に決意した様々な目標はかなえられているだろうか。今年も下半期に突入したが、なりたい自分になれている人は少ないと断言しよう。

 人はなかなか変われない。なぜなら、人は現状維持したがる生き物だからだ。今、「安全・安心・安定」なら、あえて変わることはリスキーである。だったら変わらないでいよう。そう人は無意識に行動しているのだ。

 このように人間を心理・生理的に分析するのは、習慣化コンサルタントの古川武士氏だ。世にも珍しい肩書きだが、今までに3万人ものビジネスパーソンを指導し、500名を超える個人コンサルタントの実績を持つ。そんな古川氏の教えは人生を変える力がある。

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 自分を変えるのはなかなか難しい。多くの人が感じているだろう。だが、人の性質を知り、その性質にのっとった行動を取れば「続ける」ことは難しくない。そのノウハウをわかりやすくマンガ化した本が出版された。『マンガでわかる「続ける」習慣』(古川武士:著、みつく:作画/日本実業出版社)である。

「続ける」にもレベルがあることを知ろう!

 舞は、就職したてのパティシエール。憧れの店に入店したものの、フランス語がうまく話せず大失態を起こす。入店したばかりの店の業務に追われて、フランス語を勉強する時間がなかなか確保できなかったからだ。

 この本に登場する舞のように、日々の仕事や生活に精一杯で、なかなか新しいことにチャレンジできない人もいるだろう。困った舞にアドバイスをくれるのが、先輩パティシエの竣太郎である。

 新しいことを習慣化するには、3つのレベルを知り、それに沿ったロードマップを描くことが大切だという。

一口に習慣化といってもレベルがある

 レベル1の「行動習慣」は、片付け・学習・節約など、日常で繰り返すレベルの習慣。レベル2「身体習慣」は、ダイエット・運動・早起きなど、身体のリズムに関わる習慣。レベル3は「思考習慣」。これは考え方や感じ方などが当てはまる。

 多くの人が、まず変えたいのは舞と同じように、学習や片付けなどレベル1の「行動習慣」ではないだろうか。これはたった1カ月で変えることができる。だがその「たった1カ月」を乗り切るのが難しい。三日坊主を止めるにはどうしたらいいか?

1カ月を乗り切る3つの挫折対策

 習慣化するまでには3つの挫折する時期があるという。それぞれの時期で対策を練れば、習慣化へ一気に近づく。

時間がない人もマンガならスムーズに頭に入ってくる

ステップ1 反発期(1~7日)
 三日坊主がこの時期。まずここで多くの人が挫折する。対策は、とにかく少しでもいい、完ぺきではなくとも「できればよし!」とする。

ステップ2 不安定期(8~21日)
 せっかく軌道に乗ってきた習慣が、イレギュラーな出来事で頓挫する時期。急な飲み会、残業、急病など予定通りに進まないことも見越して計画を立てよう。

ステップ3 倦怠期(22~30日)
 マンネリを感じて、続けることへのモチベーションが落ちるころ。ここではちょっとした変化や、次を見越した新しい習慣の計画が必要に。

 上記のように、第一の関門は、ステップ1の反発期だ。多くの人が挫折しやすいタイミングである。そこで本書は具体的対策も挙げている。
 どんな小さなことでもいい、一歩を踏み出す「ベビーステップ」の提案である。例えば、ランニングなら、ウェアに着替えるだけでもOKとする。勉強なら5分だけ行う。というように、「インフルエンザにかかっているときでも実行できるぐらいのレベル」の行動にすることでストレスを少なくすることを提案している。非常に実用的アドバイスである。

 また、1回に1つの習慣にしぼることも大切と語る。例えば舞のように、フランス語を勉強する場合。「早起きして30分の学習」と設定しがちだが、分解してみると「早起き」プラス「学習」という2つの新しい習慣に分かれる。一度に2つも続けることが難しいのは容易に想像ができる。

続けることは人生を変える力がある

 ダイエットや片付けなど、小さなことでも継続するのは難しい。しかし、この本を読めば、もっと大きな結果を手にすることができるかもしれない。「続ける」ということは、ある日大きな結果をもたらすこともあるという。

 続ける習慣には「複利効果」があるからだ。

 金融用語でいう「複利効果」とは、投資などによって得た利子などの利益を、再度投資に回すことで、どんどん元本が大きくなり、さらに大きな利益を生むこと。

 主人公・舞はこの複利効果よろしく、フランス語の勉強を続けることによって、将来への大きな弾みをつけた。それはあなたの身にも起こるかもしれない。

 

「継続は力なり」とはまさにこのこと

 例えばメルマガを毎日更新する、という小さなことでも同様だ。著者・古川氏の知り合いは、メルマガを週3回を目標に続けたことで、セミナーや執筆の依頼が舞い込んできたりと、どんどんチャンスを引き寄せたそうだ。ブログを更新するという、小さな習慣。これを続けることで、人生も変えることができた。

 極端な話と思えるかもしれない。だが、古川氏はこのような人を何人も目の当たりにしてきたという。「続ける」とは、人生の軌道を変える力があるのだ。

悪癖は人生を不幸にしていく

 ダイエットや学習のようにポジティブな習慣なら身につけたいが、逆に「やめたくてもやめられない」悪癖もあるだろう。例えば、無駄遣いやスマホいじり、カロリー摂取など。このような手放したい習慣はどうすればいいのか。

 この悩みにも、古川氏は応えている。同じく、マンガ家のみつく氏とタッグを組んだ『マンガでわかる「やめる」習慣』(古川武士:著、みつく:マンガ/日本実業出版社)も同時発売される。

「やめる」のも「続ける」のも同じく人の習性を利用すればいいのだ。だが「続けたい」習慣にくらべ「やめたい」習慣は、さらに深刻かもしれない。学習や片付けをしないことで特に不幸になったりはしない。けれど、悪癖を続けることは幸福度をどんどん下げている可能性があるからだ。

 手放すことで得られる幸せもまたある。

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 人間の行動の40%は習慣によってできているという。しかもその習慣は無意識に身につけてきたものがほとんどだそうだ。あなたは自分の欲する人生を歩めているだろうか。もしも変化が欲しいなら、この「続ける」もしくは「やめる」習慣をスタートさせてはどうだろうか。

文=武藤徉子