ライフスタイル

「空気は読まない」「人と違うのは当たり前」情熱都市リオデジャネイロに学ぶ「もっと自由な生き方」のヒントとは?


『リオデジャネイロという生き方 不安も悩みも笑顔に変える「幸福の個人技」』(中原 仁、KTa☆brasil(ケイタブラジル) /双葉社)

 ブラジル人とサッカーをしたときに思った。「なんて楽しそうにサッカーをする人たちなんだろう」と。勝敗にはこだわって、ちょっとでも負けるとイライラして個人プレーに走るくせに、なんだか楽しそうで、ずっと笑っている。試合後のバーベキューでは、初対面に近いのに、シュラスコの肉を「食え食え」と切り分けてくれ、「飲め飲め」と缶ビールを渡してくれた。とにかく、陽気で、人懐っこくて、負けず嫌い。それがブラジル人の印象だ。

 そんなブラジルの中にあって、ひときわ情熱的で明るく楽しいのがリオデジャネイロの人々、カリオカだ。エネルギッシュな街や人に魅せられた2人の日本人音楽家がつづったのが『リオデジャネイロという生き方 不安も悩みも笑顔に変える「幸福の個人技」』(中原 仁、KTa☆brasil(ケイタブラジル) /双葉社)だ。

 「神が創った街・リオデジャネイロ」の人々の生き方には、日本人が「これから」を生きるための「素敵なヒント」や「気づき」がたくさんあるという。

「意思を伝える」「新しい者を受け入れる」カリオカの流儀

 とかく「空気を読め」だの「謙虚さ」だのが「美徳」とされる日本の風潮だが、リオデジャネイロでは、そんなビミョウな気遣いや「外面」なんてものが、全く通用しない。

 例えば空港――空港案内係は海外からの客などおかまいなしに大声でおしゃべりで盛り上がり、両替商やタクシーの呼び込みはグイグイと話しかけてくる。その一方で、制服を来て働く売店のおばちゃんはやる気ゼロで、愛想笑いのひとつもない。

 日本ではあたりまえの笑顔も、丁寧で画一的なサービスもない。おいおい、それいいのか? と突っ込みたくなるが、それでいいのだ。

 リオデジャネイロの人々は、すべて個人の判断で動く。物事を人のせいにせず、自己責任で人生と向き合っているからだ。この街では、あなたが何を考えていて、何を求めているのか――常に明快な意見と態度が求められる。それを表明しないのは、ただの「自分のない人」でしかない。

 だが、ひとたび相手が意思を示せば、すぐに受け入れてくれるのがリオっ子。リオデジャネイロでは、人々は誰でも一期一会の会話を気軽に楽しむという。街角、道端、バス停、スーパー、酒場……あらゆる場所で、たまたま出会った見知らぬ人と会話し、感情を交歓・共有するのが当たり前になっている。道端で誰かと目が合ったら親指を立てて「Bom!」と笑顔で挨拶を交わす。これはリオっ子独自の社会文化だ。

 港湾都市として世界中からの移民と混交の歴史を持つメガシティ・リオデジャネイロで、人々が生きていくために、「意思を伝える」「新しい者を受け入れる」ことが求められ、街に根付いたのだろう。

 日本の暮らしでは案外難しいことだが、リオの流儀で人と接することができれば、深く眠っているかもしれないあなたの感性や社交性が刺激され、目覚めるかもしれない。

 まずは、親指を立ててあいさつ――「Bom!」と、笑顔で。

あらゆる「個」が入り乱れる“個人主義の共同体”リオでは、
「ぼっち」ではいられない!

 移民国家ブラジルで、50数年前までは首都だったリオには、様々な人種、文化、宗教、習慣が入り乱れている。リオの人にとって「自分と違う」ことはありふれたことで、「違う相手」に違和感や差別意識を抱くことがない。「人は人、自分は自分」という、徹底的な個人主義がカリオカの基本。

 だが、それは逆に「集団における暗黙の了解が通用しない」ことでもある。よって、カリオカは「相手を知るためのコミュニケーションをサボらない」。人が大勢集まる公園や店を好み、誰と約束するでもなく、ひとりでやって来ては、見知らぬ人と挨拶を交わし、話をする。そうした会話を経て「信頼に値する人間」かどうかを決めるのは、自分の見たまま感じたまま――「個人」なのだ。

 だから、「個人主義の共同体」であるリオには、マジョリティもマイノリティもない。あらゆる民族・文化集団が存在しない。驚くことに、世界中どこにでもあるチャイナタウンさえないという! あらゆる「個」が入り乱れるリオの多様性の前には「ぼっち」でいることのほうが難しいのだ。

 紹介したエピソード以外にも、レストランでの注文方法やコミュニケーションの取り方、音楽の楽しみ方、サンバにサッカーと、リオの話題が本書には盛りだくさん。

 日本スタイルの生活に、ストレスや窮屈さを感じているあなた。本書を読んで、リオの熱い風を感じたら、空を見上げて見よう。そこには、ブラジルと同じ太陽が輝いている。生き方を決めるのは、あなただ。

文=水陶マコト



TOPICS

最新記事

もっと読む

人気記事ランキング

ダ・ヴィンチ×トレインチャンネル

特集

ダ・ヴィンチニュースの最新情報をチェック!

ページの先頭へ