自信は自分を知ることから生まれる! 根拠ある自信が芽生える「思考のエクササイズ」

ビジネス

公開日:2016/7/15


『超一流の「自信思考」 世界のエリートにも負けない自分のつくり方』(狩野みき/大和書房)

 仕事でのミスで怒られたり、頑張っているのに結果に結びつかなかったり…。毎日一生懸命やっているのにうまくいかない! 自分はなんてダメな人間なのだろうと落ち込みつつも、なんとか自分を奮い立たせようとする。そんな時、テレビなどのメディアから目に入ってくる言葉が、「自分に自信を持とう!」。最近では、小学校の教育目標にも「自己肯定感」「自信を持つ」といった言葉がうたわれるようになっている。

 そんなこといわれたって、自分に自信なんて無理、いったいどうすれば身につくの?と思っていたところ、『超一流の「自信思考」』(狩野みき/大和書房)という本を発見! 「どんな人も、考える力を磨けば、自信が芽生える!」という帯にも惹かれ、手に取ってみた。自分の行動や選択に「なぜ?」「どうして?」を問いかける癖がつけば、自信が持てるという。いつもの自分の頭の働きにあと一歩の追加を勧める、いわば思考のエクササイズ本だ。

 著者が、この“考える力を磨く→自信”という考えにたどり着いたのは、自身の次のような経験があったからだという。勤めた職場に欧米出身者が多く、彼らから「なぜ企画Aにしないのか」「なんでBのやり方なんだ」と日々説明を求められる。昼食の席でも、「なんで餃子を食べたいんだ」などと、ことあるごとに理由を聞かれる。問い詰められるたびに、答えにつまって緊張、疲弊していく毎日。そこで、普段なんとなく決めていた行動についてその根拠を考え抜き、はっきりと言葉に表せる状態にしておこうと決心。こうして、「ちゃんとした根拠があるから大丈夫」と自分に自信が持てるようになったそうだ。

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 日本人の多くは、自分と周りを比べたり、社会のなかでの自分の立場を気にしたりと、どうしても「全体」を優先しがちだ。しかし、欧米人の主体は「個」、つまり、“私自身がどう考えるか”が第一だ。著者は、こうした欧米人的な考え方を習慣にすると、自分への自信が感じられると述べる。だれかに褒められなくても、“私の気持ちを大事にするためにやったことだから、この行動は大丈夫、正しい!” この積み重ねが、自信につながるというのだ。早速、習慣にしたいと思うところだが、まずは素の「私」を取り戻すエクサイズを2つピックアップした。

 まずは、緊張をほぐして冷静な自分を取り戻すエクササイズからだ。

周りの反応を気にしないエクササイズ
1. まずは、周りの反応を気にしてしまう自分を、受け入れる。
 例:「今私は○○さんの反応を気にしている」と、心のなかで実況中継する。

2. もし、相手が本当に自分のことを悪く思っていたとしたらどうなるのかを考える。
 例:居心地の悪い思いはするかもしれないが、死ぬわけではない。一生付き合うわけではない。

 次は、何が自分にとって大切なのかを知るエクササイズだ。

守りたいものを見抜くエクササイズ
1. 仕事や生活のなかで、できないこと、したくないことを挙げる。
 例:怒られたくない。

2. その理由を挙げる。
 例:怖い。プライドが傷つく。

3. したくないこととその理由の間に隠れている大前提を知る。
 例:優等生でいたい自分。

4. 3で出た大前提は、自分にとって今後も守っていきたいものか、それとも捨てたいものか、自分が一番大事なことは何か考える。
 例:優等生なんてつまらないものにひっかかっていたのか。自分の心が一番よい気持ちでいられることは何だろう。

 エクササイズ中には、自分の醜い部分も見えてくるので、不快な気持ちになることもあるだろう。しかし、醜さを認めた上で、守りたいと思ったものだけに意識を向けて動いてみる。すると、今後の自分の行動指針がわかる。自分の核がはっきりするから、周りにゆさぶられない。こうして少しずつ、自分への自信がついていくという。

 自信をつけなきゃと気負う必要はないと思うが、もし、“私ってダメ、自信もないからもっとダメかも”とマイナスのループで悩んでいるのなら、一度立ち止まってみるのも悪くはないのでは?

文=奥みんす