バチカン教皇庁図書館が所有する貴重な手書き文献の再現複製物を200部限定で配布決定

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/14

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複製する『バチカン版ウェルギリウス』の対象ページ

 バチカン教皇庁図書館、NTTデータ、キヤノンの三者が進めてきた貴重文献電子化プロジェクトを世界中の人々により広く理解してもらうことを目的として、貴重な手書き文献の複製物を2016年9月より200部限定で配布することになった。

 複製物の対象となる文献は、西暦400年頃に作成されたバチカン版ウェルギリウスとして知られる「Vat.Lat.3225」で、ラテン文学の最高傑作ともうたわれるアエネーイスの一場面を描いた鮮やかな挿絵を含むページ。NTTデータが電子化したこの文献の画像データを、キヤノンが独自の質感画像処理技術を用いてプリンターで出力できる質感情報に変換し、キヤノンのグループ会社であるオセ社の隆起印刷技術を用いることで、手書き文献の素材や表面の凹凸などの質感を再現している。

複製物の提供は、同プロジェクトの資金管理団体であるDigita VaticanaのWebサイトより同プロジェクトに対する賛同金500ユーロを寄付した賛同者を対象として、Digita Vaticanaより順次配布する。通常はバチカン図書館内に保管されており、触れることのできない希少な文献の象徴的なページの複製物であることから、200部限定の配布となった。

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今後もバチカン教皇庁図書館とNTTデータは引き続き電子化プロジェクトを推進し、2018年3月までに3,000冊の貴重文献のデジタル画像化を進めていく予定。また、バチカン教皇庁図書館による同プロジェクトの認知・理解をより一層広めるための活動への貢献も行っていく。

■『バチカン版ウェルギリウス』複製物
賛同金:500ユーロ
配布日:2016年9月~
協力:バチカン教皇庁図書館、NTTデータ、キヤノン

※掲載内容は変更になる場合があります。