マンガ好きで知られる元千葉ロッテ・里崎智也さんが、腹筋崩壊と話題の魔球マンガ『デッド・オア・ストライク』を読んだら…

マンガ

更新日:2016/8/5

 巨人の星を筆頭に魔球が登場する野球マンガはいくつもある。そしてほとんどの場合、魔球の使い手である主人公とライバルの対決を軸に話が進んでいく。だが、『デッド・オア・ストライク』(西森生/一迅社)ではその常識を打ち破った。本書は連載型新作マンガ配信サービス「GANMA!」で掲載されているWEB漫画の1つだ。すべての投手が魔球を投げ、それに対して攻撃側も1番から9番まで魔振(魔球のスイング版)で迎え打つのである。西森生センセイの膨大な熱量が生み出したアナーキーなプレーの数々はプロの目にどう映るのか。元千葉ロッテマリーンズの正捕手で球界きってのマンガ好きとして知られる里崎智也さんに話を伺った。

――常識では考えられないプレーが満載の魔球マンガなんですが、感想はどうですか。

里崎智也さん(以下、里崎)「おもしろかったですよ。ありえなさすぎるのがいいっすよね(笑)。スタンダードな野球マンガだったら、変わったプレーをすると『そんなのないよ』って思うじゃないですか。でも、(描かれてるプレーが)こっちの発想にまったくないから純粋に楽しめますよね。どうなるんだろうって」

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――里崎さん自身も子供の頃に魔球を考えたりしました?

里崎「考えましたよ。でも、実際にボールを使うと(変化は)限られるじゃないですか。不可能を可能にすることはできないんですよ。そこを飛び越えちゃう発想がすごいなって。魔球もそうだけど魔振って斬新過ぎるでしょ(笑)。しかも、全員がそのスキルを持ってる。作者も考えるのがタイヘンですよね」

――作者の方はまったく野球の経験がないそうです。

里崎「逆にそれが良かったんじゃないですか。第1話でいきなり電車に向かってノック打ちまくって、捕れたヤツだけ出てこいって、もうめちゃくちゃですよ(笑)。あと、水中で投げたり、走ったりしながら70何時間かけて100回まで試合したり、野球やってたらまず思いつかないですよね」

――電車にノックとまでは行かなくても、里崎さんのキャリアの中で印象に残ってる練習はありますか。

里崎「高校の時に赤点ベーランってのがあったんですよ。部員全員の2学期の期末テストの赤テンの枚数分を合計して、その本数を毎日ベーランするというね」

――それじゃあ赤点を取った人は気まずいですよね。

里崎「僕は0個だったので、ふざけんじゃねーよって(笑)。それで僕らの時は20個だったんで練習後に毎日20周だったんですけど、聞いた話だと僕が入部する前には赤点が
100を越えた代もあって……練習後に走ったんじゃ間に合わないから練習開始からずっと走ってたらしいです」

――里崎さんがもし、このマンガに出るとしたらどんなスキルがいいですか。

里崎「どんな魔球が来ても簡単に捕るキャッチャー。それで、どんなスライディングが来てもホームでがっちりブロックしちゃう。殺人スライディングを使い相手を跳ね飛ばして『そんなスライディングじゃ俺のブロックは崩せないぜ』って。あと、オーラで威圧してランナーがホームベースを絶対に踏めないとか(笑)」

――夢のキャッチャーですね。

里崎「どうせやるなら突き抜けたものにしないとダメでしょう。あと、今のところスゴイ選手ばかりだけど、ズル賢いヤツがいてもいいよね。第一話の電車ノック、あそこで落ちてるボールをこそっと拾って『捕りました!』って言うような。隠し球が超得意でボールを消したり、相手の道具を隠したり、もうインチキばっかりうまいヤツ(笑)。実際、そういうのがいるんですよ。大して実力ないのになぜかトップ(チーム)にいるのが。それで実力のなさをカバーするためにどんな打球も捕れるグローブとか、当たった時に必ず芯のところまで転がってくるバットを使って」

――色々アイデアが出てきますね。これは里崎さんのゲスト出演もあるかもしれません。

里崎「ゲストじゃイヤだよ。1話しか出ないなんて最悪じゃん。スーパースキルがあるんだからレギュラーにしてよ。名前は里崎智也じゃなくていいから(笑)」

――もしかして野球を冒涜してるとか言われるかもと少し不安に思ってたんですけど、楽しんでくれてよかったです。

里崎「だってマンガっすよ。事実が知りたいんだったらニュースやドキュメンタリーを見ればいいんですよ。僕は、マンガは想像力を豊かにしてくれるものだと思ってるんです。よくマンガなんてダメだよ、活字を読まなきゃって言う人もいるじゃないですか。でも、想像力のない人が小説を読んでも、頭の中でイメージはふくらまないですよ。マンガを読むと色んなシーンが絵として入ってくるでしょ。そうすると活字を読んでも絵がイメージできるようになる。想像力を身につけるためにはマンガは最強のコンテンツですよ。こんな突き抜けた世界観は、マンガじゃないと成立しませんよ(笑)」

取材・文=グレート巨砲 写真=山本哲也

デッド・オア・ストライク』1、2巻
著者:西森生
出版社:一迅社
発売日:7月27日(水)

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