湊かなえ短編集『望郷』の3編が広末涼子、伊藤淳史、濱田岳主演でドラマ化!ファン 「これは期待大!」

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公開日:2016/8/7

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 『告白』『白ゆき姫殺人事件』『Nのために』などの作品で知られ、映像化作品も大好評を博している人気作家・湊かなえ。そんな湊が2013年に発表した連作ミステリー短編集『望郷』が、広末涼子、伊藤淳史、濱田岳を主演に迎えてドラマ化されることが決定した。この発表に「望郷ドラマ化!? 嬉しい!」「想像以上の豪華キャスト…これは期待大!」と大反響を呼んでいる。

 『望郷』は広島県・因島で生まれた湊が、「小説家として自分に書ける物語は何か?」と悩んだときに、「瀬戸内海の小さな島で暮らす人たちが抱える問題は、そのまま世界に目を向けた多くの人たちに通じるものがあるのではないか」という思いから生まれた物語だ。

 今回ドラマ化されるのは、6篇の短編が収められた『望郷』の中の「みかんの花」「海の星」「雲の糸」の3編。「みかんの花」の舞台は、主人公・富田美里が暮らす、全国で唯一残る一島一市の白綱島市。対岸の市に吸収合併されることになり、その合併記念式典に25年前に島から逃げ出した姉が、売れっ子作家として現れる。「なぜ戻ってきたのか」と、島から出ることができなかった美里は苛立ちを覚え、姉に疑念をぶつけると、姉は驚くべき事実を語りだす――。同作には「島内と島外の人々の、島に対する思いの温度差を巧みに描いている!」「ミステリ大好きな自分にはたまらない作品、読み応えが凄い」といった声が上がった。

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 また「海の星」では、都会で家庭を持った島出身の浜崎洋平が主人公となる。突然届いた同級生の手紙が、小学6年生の時に失踪した父親の記憶を呼び起こす。港、山盛りの小アジ、頻繁に家を訪れていた漁師の幸作、母と父を探して歩いた道、そして突然の別離…。父の失踪と幸作の関係が、同級生の手紙を発端に明らかになっていく。「日本作家協会賞 短編部門」を受賞した同作には、「最後の最後に大逆転が待ち構えている構成に唸らされた!」「伏線の敷き方が秀逸。ただただスゴイとしか言いようがない」と舌を巻く読者が続出。

 そして「雲の糸」では、旧友の誘いを断れず、久しぶりに島に戻った若手アーティスト・黒崎ヒロタカを中心に物語が描かれる。故郷で、ひたすら耐えがたい居心地の悪さを感じるヒロタカ。幼いころに家族を襲った悲劇の記憶と、村社会の冷たい視線が心に影を落としていく…。同作には「巧みな心理描写で息が詰まっていく。主人公の心情が痛いほどわかる」「辛いだけでなく、主人公が前を向いて再生していける展開が素晴らしい!」と絶賛の声が上がる。

 そんな選りすぐりの3編がドラマ化されることが決定し、「みかんの花」の美里役を広末が、「海の星」の洋平役を伊藤、「雲の糸」のヒロタカを濱田が務めることが発表されると、「湊さんの作品の映像作品はどれも面白いから今回も楽しみ~!」「この3編は望郷の中でも傑作、早く見たい!」「キャスティングばっちりじゃん! 特に姉を憎む美里を広末さんが演じるとか、超面白くなりそう」「傑作揃いの短編に演技派が揃うことほど嬉しいことはない!」と多くの原作ファンが期待に胸を膨らませている。

 同作への出演について広末は「湊かなえさんの作品らしい世界観を美里という役を演じて感じることができ、とても楽しませて頂きました。特に、20年間にわたる姉の想いを知った美里が初めて姉と向き合うラストシーンは強く残っています」「オムニバス作品だとは思えない重厚な物語を感じていただけるのではないかと思います」とコメント。

 また、伊藤は「生憎の雨でしたが、地元の方々や現場スタッフの皆さんに助けて頂き、とても楽しくお芝居をする事が出来ました。特にラストシーンは、とても印象に残っていて、早く完成した作品を見たいと、心待ちにしています」と、作品の出来を楽しみにしていることを明かした。そして濱田は「湊さんの世界観、そして初めて演じさせていただく役柄、緊張する要素が沢山あった中、監督はじめスタッフの皆様と共に、短い期間ではありましたが、丁寧に、臨ませて頂きました」と撮影時の心境を伝えている。

 原作者の湊は「ドラマ化に際し、『みかんの花』の撮影現場(因島)を見学させていただくことになりました」「広末さんをはじめ、役者の皆さんは完全に島の人でした。この言葉はこんな表情から出ていたのか、と短い場面の中にいくつもの発見がありました。視聴者の方々も、ドラマを見ながら、白綱島の一員になっていくのではないかと思います」と、映像ならではの新鮮な発見があったことを明かした。

 2016年放送予定となっており、詳細な日時、他のキャストなどは順次発表される予定だ。実際に瀬戸内海の美しい風景の中で撮影され、湊作品ならではの複雑な人間模様や衝撃のラストが描かれている同ドラマ。豪華キャストによって新たな命を吹き込まれた同作の公開を心待ちにしながら、広末、伊藤、濱田をイメージして原作を読み直してみてはいかがだろうか。

■TVドラマ「湊かなえサスペンス 望郷」
放送日時:2016年(放送日未定)
放送局:テレビ東京系列
原作:湊かなえ
監督:新城毅彦、中前勇児、藤井道人
脚本:浅野妙子、大島里美、小寺和久
プロデューサー:阿部真士、田辺勇人、平部隆明、鈴木俊明、大健裕介
出演:広末涼子、伊藤淳史、濱田岳 ほか
製作:テレビ東京

■『望郷
著:湊かなえ
価格:594円(税込)
発売日:2016年1月4日(月)
出版社:文藝春秋