【現場リポート】送迎ママのサングラス着用率が上昇中

出産・子育て

公開日:2016/8/31


 連日の猛暑と陽射し――サングラスが欠かせないですよね。私は仕事柄もあり、いろいろな場所やシチュエーションで、皆さまがお召しになっているサングラスやメガネをついつい見つめてしまいます。日本でもサングラスの着用率も年々増えているなか、ここ数年とくに気になるのが、保育園や幼稚園にお子さんを送迎するママさんたちの目もとです。

ひと昔前は見かけなかった「サングラスママ軍団」

 アイウエアのPRという仕事に携わり、四半世紀が経ちました。私は一年中サングラスの着用を欠かさないのですが、夏を過ぎたらサングラス人口が一気に少なくなる状況を、例年さびしく感じています。

 サングラスは秋冬も楽しめるもので、上手に使えば健康面で寄与する部分も大きいのですが――そのお話はまた別の機会に譲らせてもらえればと思います。

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 近ごろ「あら?」と気になりはじめたのは、電動自転車を携えてたむろする女性たちの存在。彼女たちのほとんどの目もとには、季節を問わず大きめのサングラスが! 見るに、みなさんお子様を待つママさんたちのようです。

 気になりはじめ、都内でママさんたちの井戸端会議の現場をいくつか観察していたところ、やはり目もとに大きめのサングラスをしているママさん率が高い。明らかに「サングラスママ」が都内で急増していると確信したわけであります。

有名ブランドをバッチリ押さえる

 サングラスママを発見するエリアも、私自身の行動範囲のなかでさえ年を経るごとに広がってゆき、また自転車で移動中のママさんたちの目もとも同様にチェックしてみると、いくつかのキーワードが浮上してきたのです。

 「大きめ」「有名ブランド」「黒もしくは茶色」……と、ママさんたちの目もとはサングラスのトレンドを反映したスタイルで満載。季節を問わずサングラスの着用を啓蒙する私としては、驚きと嬉しさの大発見です。

 とくに、ひと目でそれとわかる、いわゆるメゾンブランドのサングラスを素敵に掛けこなしているママさんがこれまた多いのです。なぜなのかと今までアイウエア業界で仕事をしてきた経験も含め考察してみました。

 ひとつには、ママさんの多忙さが考えられます。きっちりメイクをする暇もなく送迎時間になり、結果、目元をカバーするためにサングラスが必要、というのが実はリアルな着用理由なのではと。

 ただ、それだけではサングラスが“ブランドもの”である必要性までには辿りつきません。今のママさんたちの口コミや、そのコミュニティでの密かな主張から、ブランドサングラスを着用しているのでしょう。

かつての「フラットシューズ」ブームを彷彿とさせるマストアイテムに

 コミュニティで自分のアイデンティティを表現するのは、仕事でもプライベートでも自然に誰もがすること。「サングラスママ」は、その典型的な例として出現したと考えられます。

 多忙な毎日の時間短縮ツールであり、健康への意識が年々高まるなか紫外線対策としても欠かせないグッズとして、ニーズが増していくサングラス。機能性とデザイン性を兼ね備えたこのアイテムは、ブランドのロゴを大胆に乗っけたフラットシューズが流行したように、もはやママさんには頼もしすぎる“ワードローブの新定番”となったのではないでしょうか。

 9月になっても、まだまだ陽射しの強い日が続きます。そして季節の変わり目を経て訪れる秋には、ママさんたちはどんなサングラスで目もとを彩るのでしょう。楽しみです。

文=citrus橋口 ムサッチ 麻紀