「膝立ち」がねこ背に効く!胸を張って背筋を伸ばすのはウソ! 超簡単なねこ背改善法

健康

更新日:2016/9/23


『ねこ背は治る!』(小池義孝:著、さわたりしげお:イラスト/自由国民社)

 スマホの普及によって、写真を撮る機会が増えた現代。思い出に浸りながら写真を見返していると、アゴを前に突き出し、丸まった背中……なんともみっともないねこ背な自分の姿に衝撃を受けること、ありませんか? 悪い姿勢を治すために、矯正ベルトを買ったり胸を張るように頑張ってみたり、さまざまな方法を試しても、改善できずにねこ背に逆戻り。そんな経験をお持ちの方も多いことでしょう。かくいう筆者も、姿勢の悪さは天下一、ねこ背上級者です。このまま腰まで曲がっていくのか……なんて、悲観している人にオススメなのが、先日発売された『ねこ背は治る!』(小池義孝:著、さわたりしげお:イラスト/自由国民社)。なんでも、ねこ背に抱いている先入観を変えるだけで、姿勢が驚くほど改善されるというのです。

 みなさんは、良い姿勢と聞いてどんな姿を想像しますか? もしも、胸を張って背筋をピンと伸ばす姿を思い浮かべたねこ背の民は要注意。ねこ背が治らない原因は、その固定観念の裏に隠されているらしいのです。

胸を張って背筋を伸ばすのは、気持ちの良いものです。(中略)無理に上体を仰け反らせているので、次第に疲れてきます。気を抜いた瞬間に、元のねこ背に逆戻りです

 伸ばしては疲れてねこ背を繰り返し、結局ねこ背からは抜け出せない……無理をして背筋を伸ばすという発想こそが、そもそもの間違いだったのです! それでは、本当に“良い姿勢”とはどのような状態なのでしょうか?

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 同書で背筋が自然と伸びる姿勢として紹介されているのが“膝立ち”。膝立ちは、上半身を太ももにある大腿骨に乗せて骨盤を安定させるため、姿勢が美しくなるそう。しかし、膝立ちで生活することはほとんどありません。実際に立ったまま正しい姿勢を保つ方法はあるのでしょうか。

 図のように、足の●印の位置に体重をのせ、スネにある太い骨や大腿骨に骨盤を乗せます。その際、スネの太い骨に乗るという意識を強く持つことが大切。その後、おもいっきり全身の力を抜きます。脱力状態でも背筋が楽に伸びている状態こそが、“本当の良い姿勢”なのです。

 正しい姿勢になることで、これまで負担がかかっていた肩や首、腰の筋肉が解放されます。なかには、長年悩んでいた肩こりや腰痛が一気に改善する人も。姿勢を正す大切さが身にしみますね……。

 同書には、ねこ背を治す方法以外に、腕力の向上や無理なく速く歩けるようになる方法など“体の動きを根本から変える方法”が綴られています。そのひとつが「呼吸を深くする」。呼吸法を重んじる気功治療院を営む著者いわく、呼吸の浅さが体の不調を招いているらしいのです。

 呼吸が浅く、全身に酸素がいきわたっていない状態で酸素が得られるのは、組織や細胞など必要最低限の器官が優先となってしまい、末端の筋肉への酸素供給が十分にされず酸素不足になっている人がとても多いとのこと。筋肉が酸素不足でも、生きる上では大きな支障はないそうですが……

「筋肉が酸欠を起こせば、柔軟性が損なわれ、硬直してしまいます。それは血流を悪くさせ、身体を冷やします。(中略)血流の悪さと身体の冷えは、人間の生命活動の根幹にかかわります」

 東洋医学では、血行不良や全身が冷えている状態を“未病”と呼び、病気の一歩手前を意味しています。大きな病気を患っていなくとも、決して健康な状態とはいえません。このように、健康を害するおそれのある酸素不足を解消するために実践したいのが、“胸式呼吸”と“腹式呼吸”を同時におこなう「全体呼吸」。

 胸式呼吸は肺が鎖骨まで広がることをイメージしながら息を吸い、同時に腹式呼吸をします。腹式呼吸は、横隔膜を下げて内臓を押し出す様子をイメージしてください。胸式と腹式を合わせた全体呼吸で肺の容積をめいっぱい広げることで、より多くの酸素を取り込むことができます。

 じつは、腹式呼吸に対して“お腹に空気を入れる”というイメージを抱いている人が多いですが、まったくの勘違い。実際はお腹に空気は入らないにもかかわらず、無理やりお腹を膨らませて正しい腹式呼吸ができないことがほとんどだそう。間違った腹式呼吸では空気を効率的に取り込めず、全身が酸素不足に陥ってしまいます。思い込みは恐ろしいですね……。

 そのほか、肩甲骨の正しい位置を把握して腕力を向上させる方法や、正しい股関節の位置を理解して太ももを楽に持ち上げる方法など、合計で4つの体のパフォーマンスをアップさせる方法を紹介しています。同書を読んで体の仕組みを“知り”、簡単な“実践”をすることで、さまざまな不調から解放されるのも夢じゃない! 美しい姿勢を手に入れ、健康になりたいという方は、ぜひご一読あれ!

文=谷口京子(清談社)

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