過去が清まれば人生は根底から変わる!? 3つの神様のパワーでもっと幸せに!

暮らし

公開日:2016/9/30

『「お清め」ですごい神様とつながる本』(中井耀香/自由国民社)

「あなたの過去が清まれば、あなたの人生は根底から変わる」と、冒頭からお清めモード全開で始まるのが『「お清め」ですごい神様とつながる本』(中井耀香/自由国民社)である。開運アドバイザーとして、これまで1万5千人の人生を好転させてきた著者。カウンセリングを通じて気づいたのは、誰かの手でいつか自分の人生が変わるだろうと「待っている人」は、「過去の人間関係で傷ついた部分が原因」にあるという。

 そこで登場するのが、お清めである。帯にも「内観で人間関係を“お清め”すると、あなたの中の“人神”=内在神がめざめ、“天神”“地神”とつながる扉が開きます」とある。神という文字がこれだけズラリと並ぶと、難しいスピリチュアル系の話が続くと思いがちだが、本書は決してそうではない。「自分で、自分の責任で“わたし”を幸せにすることが、今世に生まれた人の共通した使命」だからこそ、自分の中にある神を目覚めさせるために内観すること。心の奥深くに眠っている自分の感情と徹底的に向き合うことで、人間関係をすっきりと清めることができるように本書は構成されている。

 だが、やさしい語り口で綴られている本文とは対照的に、内観するテーマは深くて重い。例えば伴侶との関係、過去の恋愛、インナーチャイルド、憎い相手との関係などがある。人によっては、これまで誰にも言えずに心の奥底に封印していた感情を吐き出し、これらを一つひとつ清める過程は、決して楽なものではないだろう。表紙や本書内に鏡のイラストが数多くあるが、鏡は三種の神器の一つでもある。まさに自らの心に向き合い、ありのままに鏡に映し出すことが、すごい神様につながる唯一の入り口であるという著者のメッセージにも思えてくる。

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 ちなみに本書の最後は、親との関係を清めることで締めくくられている。実は36歳で離婚を経験し、起業もした著者。その頃はいつも、トゲトゲしくイライラした感情を抱えていた。そこで出会ったのが、内観によるお清めである。「周りの人との関係が上手くいかないのは、根底に育てていただいた親との関わりに問題がある」という恩師の言葉をもとにじっくりと内観したところ、目を向ける方向が180度変わったという。

 しかも親との関係を清めるための内観のやり方は、とてもシンプルだ。「していただいたこと」「お返しできたこと」「ご迷惑をおかけしたこと」。この3つを徹底的に調べ、あとは自らの感情が揺さぶられるような体験をすることで、人の心は本当に変わるという。

 だからこそ本書は、

日々の雑音を一度遮断して、ゆったりとした時間と空間を作って、これまでの「人間関係」を振り返り、「お清め」する時間を作ってみてください。あなたの「人の神様」が清められれば清まるほど、あなたの人生は、キラキラと輝きます

とある。

 秋の夜長、すごい神様とつながりたくなったら、スマホの電源オフにして本書を片手に自らの心の声に耳を傾けるのも悪くない。

文=富田チヤコ