あなたも“たとえ”たくてしょうがなくなる!? 芥川賞・直木賞作家も嫉妬する文筆家・せきしろの表現力の秘密

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/13

 圧倒的なユーモアと豊かな文章力で定評のある文筆家・せきしろの『たとえる技術』が、2016年10月12日(水)に発売される。芥川賞作家・ピース又吉直樹や、直木賞作家・西加奈子らとの共著でも知られ、数々の芸人にコント脚本を提供するなど、独自のユーモアを生み出すせきしろの表現力の秘密は、「たとえ」にあった―。

 「たとえる」とは何か? たとえば、驚いた時は「オダギリジョーが本名と知ったときのように驚いた」。喜びを伝えたい時は、「『この犬、他の人になつくこと滅多にないのよ』と言われたときのように嬉しい」など、感情を際立たせる機能をもっている。

 また、ありきたりになりがちな表現に一気に彩りを与える効果もある。たとえば、アーティストがライブで叫ぶ「盛り上がってますかー!?」も、たとえを使えば無数のバリエーションが生まれるのだ。「さるかに合戦で飛び出してくる栗のように、盛り上がってますかー?」「お湯が沸く寸前の電気ケトルの中のように、盛り上がってますかー?」もしあなたがアーティストの立場になった時のためにもぜひ覚えておいてほしい。

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 ニヤリと笑えて切なくなって、意外と学べる、かもしれない。ユーモアたっぷりの「たとえ言葉」が堪能できるだけでなく、せきしろの「視点をずらす技術」もうかがい知ることができる同書。読み終わるころには、あなたも何かをたとえたくてしょうがなくなるかも。

せきしろ
1970年北海道生まれ。主な著書に、映像化された『去年ルノアールで』や、『不戦勝』『逡巡』『海辺の週刊大衆』などがある。また、又吉直樹との共著『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』、西加奈子との共著『ダイオウイカは知らないでしょう』では、それぞれ自由律俳句と短歌に挑んでいる。

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