本日「おかず定休日」! お米が主役の簡単“おかずいらず”レシピ【作ってみた】

食・料理

公開日:2016/10/8

 毎日のごはん作りで悩むのが、白ごはんの「おかず」だろう。白ごはんは、米を洗い炊飯器にポンと入れ、スイッチを押せばおいしく炊きあがってくれる。しかし、おかずはそうはいかない。野菜を切り、煮たり焼いたりと手間や時間がかかるうえ、1品だけとはいかず2品、3品とこしらえたりする。家族が多い家庭であれば、料理も大仕事! 作ることに嫌気がさしても仕方がないのだ。そこでご紹介するのが『実用の料理 ごはん』(高山なおみ/京阪神Lマガジン)である。著書には、白ごはんを活用したレシピが140品紹介されている。つまり、お米を主役にしてしまえば、「おかずいらず」なのである。今回も気になる3品を、実際に作ってみることにした。

1、香ばしく食感もとろり!「焼きなすの豆腐和えのせ」


 1品目は、「焼きなすの豆腐和え」。まず焼き網でなすを焼き、皮をむいたあと手でさいておく。ボウルに塩・黒こしょう・ごま油を入れ混ぜ合わせ、なすを加え絡める。そこに水を切った豆腐を崩しながら入れ、刻んだ青じそ・みょうがを加え、ざっくり混ぜたらできあがり。器に盛った炊き立てごはんの上にたっぷりかけ、しょうがじょうゆをかけていただく。

 なすは香ばしくとろりとしており、豆腐はふわふわで非常に口当たりがやさしい。薬味がたっぷり入っているため、鼻から抜ける香りも最高だ。また、ごま油が味全体をまろやかにしており、「あーこれは、和風の麻婆豆腐丼だ」と思わせる。これに温かいお味噌汁があれば最高だろう。

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2、甘辛ダレがご飯に絡む!「ちくわのかば焼きどん」


 2品目は、「ちくわのかば焼きどん」。フライパンにごま油を熱し、縦半分に切ったちくわを並べて焼く。両面に焼き目がついたら火を止め、酒・みりん・きび砂糖・しょうゆを加え、再び火にかけ、とろみが出るまで煮絡める。器にごはんを盛り、ちくわのかば焼きをのせ、千切りにしたキャベツを添えたらマヨネーズをしぼる。最後に粉山椒をふりかけたら完成。

 甘辛ダレがよく絡んだちくわをひと口、次にマヨネーズを馴染ませたキャベツとごはんを口に運ぶと、「みんなが大好きな味」ということがわかるだろう。ちくわは香ばしく、ほど良い歯ごたえがあるため満足感もある。そのうえ短時間で簡単に作ることができるので、お昼ごはんや小腹がすいたときにもピッタリだ。さらに、ちくわを1袋買えば2人分作れるのだから、実に経済的!

3、卵をくずしながら食べる幸せ!「カレー風味のソースチャーハン」


 3品目は、残りご飯で作れる「カレー風味のソースチャーハン」。まず、最初に半熟の目玉焼きを作り、塩こしょうをふっておく。フライパンに油を熱し、みじん切りした玉ねぎ・ひき肉・なす・コーンを順に炒め、カレー粉を加え、そこにごはんを入れ炒め合わせたら、トマトケチャップ・ウスターソース・ピーマンを加えてさらに炒め、最後にこしょうをひく。お皿に移し、作っておいた半熟の目玉焼きをのせたらできあがり。

 半熟の黄身をスプーンでくずし、チャーハンと絡めながら食べると、まろやかなカレーの味が口いっぱいに広がり、幸せな気持ちになる。いや、それだけではない。なぜか懐かしい気持ちにもなるのだ。それは、トマトケチャップとウスターソースがくれるものだろう。昔ながらの「家庭の味」を思わせる。さらに、コーンのプチプチ感や最後の工程で加えたことで、シャキシャキの歯触りとなったピーマンが、味わうことを楽しませてくれるのだ。

 本書は第7章からなり、「卵かけごはん5種」からはじまる。卵かけごはんのアレンジは見ているだけでお腹がすいてしまうのだが、次のページをめくれば「ごはんのおとも12種」。もう、どれもこれも純粋に「食べたい!」ものばかりである。

 お米が主役となる料理は、思っていた以上にバリエーション豊富で、作りたい気分にさせてくれる。なぜなら、そこには決して手間や時間がかかり過ぎないシンプルさが備わっているからだ。この『実用の料理 ごはん』を読めば、おかず定休日が増えるかもしれない。それでも、見た目もおいしい料理を前にすれば、「あれ、おかずは?」なんていう者は、きっといないだろう。

文=くみこ