「お客様満足」を追求し続けたANAから学ぶ、気づかいのコツ

ビジネス

公開日:2016/10/31

 ANA社員に受け継がれる37の“コツ”を大公開するビジネス本『仕事も人間関係もうまくいく ANAの気づかい』。もともと「弱小エアライン」「後発」の立場からスタートしたANAの武器は、とにかく愚直に「お客様満足」を追求することだけ。同書は、そんな状況だったからこそ生まれた、ANA社員たちが日々実践している「気づかい」のコツをまとめたもの。勤続20年以上の現役社員やOBにインタビューし、彼らがそれぞれの現場で努力を続け、人から人へ受け継がれてきた、いわば「口伝の技術」を初公開している。

具体的な気づかいの実例
・「あいさつ+モノ」を会話のきっかけに使う
・気付かれない気づかいこそ「金」
・遅れるときこそ具体的に、「遅めに」伝える
・「水がほしい」の意味は100通りある
・「キドニトチカケ」の雑談で相手との距離をはかる
・上司・先輩が待ち合わせに早く行き過ぎない

 いま、ビジネスの現場では一人ですべての仕事を完遂する機会は減り、得意分野を持ち寄って、チームごと、プロジェクトごとに「早く、確実に」成果を出すことが求められている。当然、チームメンバーとは初対面のこともある。職場によっては違う文化の人たち、違う国の人たちといっしょに仕事をする機会もあるだろう。

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 前提や環境が違う人たちと仕事をする上では、当然摩擦が生まれる。仕事がうまく進まない、相手がうまく動いてくれないというとき、たいていボトルネック(主な原因)となっているのは、人の感情だ。いくら機械化や効率化が進んでも、感情を簡単に動かすことはできない。

 そんなときに重要となるのがちょっとした「気づかい」。サービス業だけに留まらず、どの職種でも前提を共有していない相手と同じゴールを目指すため、「気づかい」は今や必須のビジネススキルとなっている。

 しかしANAの社員でも、生まれつき気づかいができる人は一人もいない。グループ社員3万人は新人として入社し、職場で多くの失敗と試行錯誤を繰り返しながら少しずつ先輩の「コツ」を学んできた。ANAグループ内には、機長、整備士、グランドスタッフ、事務職など様々な職種の人間がいる。まったく仕事の内容が違う人たちが、毎回ほぼ初対面で出会い、チームで仕事をしているのだ。

 そのような環境でスムーズに仕事を進めるためには、やはり仲間同士での気づかいが必須。「あの人、困ってないかな?」「何かして上げられることはないかな?」とたった1秒、相手のことを想像するだけで、どんな仕事の結果も9割変わるのだ。

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